暗黒の愛

□転校生〜〜〜
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(今日も風が気持ちいい)

ここは、自然があふれた市。山に囲まれているため、狸や狐、リスや野うさぎなど、多くの動物が山から下りてくる。都会の人なら鬱陶しいと感じるだろうがこの市の人達は、皆人にも動物にも優しく接している。人口約4万人程度。普段は人気のない場所だが今日は近くで市場があるらしく多くの人の声が響いていた。

「おーい。結愛(ゆあ)ちゃーん学校行こ」

「うん。玄関で待ってて!すぐ行く!」

今日も平凡な一日が始まった。

星月結愛(ほしづきゆあ)は、制服を整え、鞄を持って急いで玄関へ行った。結愛は高校生にして一人暮らし。三年前まで父と母と三人暮らしをしていた。しかしある日、交通事故にあい両親ともこの世を去ってしまった。なので今この家に住んでいるのは結愛だけである。結愛は、最初はどうして良いのかわからず不安だったが近所の人達が助けてもらい、今では普通に過ごすことが出来ている。

結愛は、玄関に鍵をかけて友達の安藤美雪(あんどうみゆき)の元へ向かった。

美雪は近所に住んでいて、幼なじみ。幼稚園、小学校、中学校とも同じだったので親友である。美雪は、顔は幼さを残している。その童顔には、大きく澄んだ瞳がある。身長はさほど高くない。髪は長くストレートパーマはかけていないので先の方が少しカールしている。美雪は、大きな瞳をこちらに向けて早く早くと手招きしている。

「お待たせ。いこっか」

「うん。今日の体育さぁ___。」



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