雲がゆっくり流れていく。
のどかな日常。
キーンコーン と昼休みの終わりと授業の始まりを伝える鐘がなった。
「あーあ、もういいや、さぼろ」
「これだから最近のガキは諦めが早いって言われんでさァ。困ったもんでィ」
「沖田だってサボってんじゃん」
「俺ァ最初から出る気なんてありませんでしたー」
「もっと最悪だよ、あんた」
沖田は、最低だけどいいやつで。
気持ち悪いくらいドSだけど時々優しくて。
わたしの中で、気にも留めない存在だけど大切で。
放課後、授業をサボったことがばれて担任に呼び出しを食らった。
沖田はうまく逃げおおせててちょっとむかついた。
だから、廊下から中庭にいるあいつを見つけたとき、文句でも言ってやろうと思ったんだ。
「おき…た?」
でも良く見たら、見知らぬ綺麗な女の子と話してて。
窓越しに指す、まぶしい夕日に私の姿が溶け込む。