君と僕の星

□2
1ページ/3ページ

「…桜。
・・・桜!」
「ん…ぁ・・・ああ、レギュラス。」
「ほら、こんなとこで寝てたら風邪ひくよ。寝るんだったら自分の部屋で寝なよ。」
「ん…うん。大丈夫。まだ起きてるよ。まだ宿題は終わらないの?」
「うん、あと少しだよ。」

時折暖炉の音がパチパチとなる。
季節はもう冬も真っただ中。
夜ももうだいぶ遅いためか、ここに私たち二人以外は居ない。
部屋の暖かさと暖炉の音、それからレギュラスが筆を動かす音。
それが心地よくてつい眠ってしまったようだ。

レギュラスはというと今日手渡しされた冬休み用の宿題に取り組んでいる。
…冬休みまであと二日もあるのに。偉すぎる...。



まだ眠たいけど宿題をしているレギュラスを差し置いて眠るのは嫌なのでここに居ることにした。
…勿論、今宿題をするという選択肢は私にはない!
ギ、ギリギリでやるほうが集中できるもんねっ!



「今ね、レギュラス。」
「うん?」
手を動かしながら短く応えてくれた。

「初めてここに来るときの夢をみたんだ。」
「そうなんだ。」
「うん。そういえばあの日、9と4分の3番線のプラットホームに行った時さ
…あまりの人の多さに酔っちゃって、そのとき私を助けてくれたのがレギュラスなんだよね。」
「…そういえば、そうだね。」
手を止め少し考える素振りを見せてから、そうレギュラスが答えた。

「うん!それでそのあとも一緒に座らせてもらって。
なんかさ、今思えばあの時のことがなければ私たちこうして仲良くすることもなかったのかなぁ…って思っちゃって。」
「ハハ、それは言い過ぎなんじゃない?」
「そうかなぁ。でも、こうしてレギュラスと出会えて良かった。」
「そうだね、じゃあ僕もそう言っておこうかな。」
「ちょっと、言っておこうってどういうこと!?」
「ハハッ。」

そうして他愛もない話をして、またレギュラスは手を動かし始めた。



あと二日で休暇に入る。
もうじきここで五度目のクリスマスを迎える。
ここに来て四年以上も経ったんだなぁと改めて実感した。
―今両親はどうしているのだろうか?
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ