SS


突発的な小ネタ等、しょうもないギャグとかシリアスとか短い文章書いてます特に意味は全くありませんです。
◆心中 

「ギノ........すまない......俺は.......」
小さな粒状の薬を宜野座に渡す。
「これが....浄化サプリなんだな」
「...ぁぁ」

うそだ
そんなわけがない。アイツに命令されどうせ殺すならと自分から申し出た。
薬で奴を殺せと。

身ぐるみ全てを剥がされ、シャツ一枚を羽織っただけの姿でいるのがここでの規則だった。ここでは全てが奴の独壇場だ。いつか、逃亡する機会が必ずあるはずだと思い続けられたのは始めの頃までだった。

毎晩、逃亡しないよう鎖で両手両足を繋がれ目を布で覆い、口には猿ぐつわを噛まされアイツや軍部のありとあらゆる奴等に犯された。
何度止めてくれと自由の効かない口で叫ぼうとも終わらない地獄のような快楽に奴隷のように従順に従う身体になっていた。
このままここにいれば死ぬまで快楽を与えられ続けられるのではないか。そういう恐怖が心を支配するようになった。一生そんな地獄が続くのなら。死んだ方がマシだ...。
死への逃避。


だからこそ自分から申し出ギノを殺せと命令されたときにチャンスだと思った。上手くやれば死ぬことが出来るーーーーーー

しかし上手くやるには相当な誤算があった。アイツ等が見ている目の前で殺せと言われたのだ。ギノを助け自分だけが死ぬことは不可能に近い。ならば。いっそこのまま二人でーー。



ギノが薬を口に含んだ。
瞬間、俺はギノにキスをする。
一瞬驚くギノは見開いた目を細めキスだけの俺の口を割って舌を絡めてきた。
濃厚なキス。薬が溶けて舌と舌で互いに作用するように深く溶け合う。

アイツ等が俺達に向かって何かを叫びながら駆け出す。
手が届く数秒拍前、俺達は飛び降りた。
地上60階の天まで届くように作られた地獄の老碧から、互いを強く抱擁して。

2015/04/17(Fri) 10:47 

◆2 

「........俺の存在を、.........」
狡噛がポツリと呟いた言葉は先に続かずにポロポロと地面に溢れた。それを汲み取ることが出来ない。狡噛が伝えようとしている言葉を無視して質問をキめ込む。

「今まで誰かの血を吸ったことはあるのか?」

「......」

「よく、隠し通せていたな?」

「......」

「堂堂としていられたってことはシビュラには認知されていないんだな?」

「......」

ーそんなお前は、どういう気持ちで今まで.....生きてきたんだ?
無知であることが人間にとって一番の罪である、とはよく言ったものだ。自分勝手だとは分かっていながら今まで狡噛のことを少しでも理解している、と自負した瞬間が幾度かあったことに腹が立った。無知でいた自分に腹が立つ。そして、踏み込んではいけないラインとして狡噛が線引きしていたことにも。
優柔不断で自分勝手な思い込み、しまいにはコンプレックス。悪い癖だ。直らない。そう思い込んでいる方が楽なだけだ。

「.........お前は...」

狡噛が意を決して口を開く。己自身と折り合いをつけるためなのか、少しずつながらもはっきりした口調で

「初めて俺が、俺の本性を明かした男だ。」

と告げた。未だに重たい口を少しずつ開きポツリポツリと言葉を言う。

「こんなことをいうことは.....赤の他人であるお前にまで....踏み込むことになる。俺は狡い.....。でも俺は......佐々山、お前と、お前と......生きていた俺を........。お前の隣にいることが出来た、俺のその事実を......否定しないでくれ............」

懇願だった。俺の目を見、左目から一筋の赤い鮮血がキメ細やかな頬を走る。吸血鬼は涙も血なのか。

「殺してくれ」
妙に溌剌とした声で俺に言うんだ。

「................」

「このままでは俺は。」

先の言葉は続かなかった。俺を真っ直ぐに見つめていた瞳は閉じられて頭は垂れた格好。それはつまり。

「お前にしか、..............」

垂れた頭、首もとを見、シャツの下から少しだけ頭を出した銀色のアイアンクロスが街路に立つ電飾の光を受けて煌めいたのが見える。







街のキラキラとした灯りを粉のように眩した黒い睫毛がゆっくりと持ち上がり、漆黒の瞳を覗かせる。しかし徐々に開いていく狡噛の瞳は下から上へ琥珀から綺麗なグラデーションを描き、最後には金色に変色した。



今宵は満月の夜だ。

2014/08/30(Sat) 12:52 

◆吸血鬼パロ1※シリアスにする気全く無かった、お洒落感出そうとして失敗 




監視官狡噛慎也、この男は吸血鬼だ。監視官就任をしてる手前いつぞやの事件時犯人と取っ組み合いをして血を出した俺を見て早々に理性を失った。散々怪我をした俺を見ている癖に、その時はたまたま貧血だったという。今ではその言葉を思い出す度流石吸血鬼だな....、と何気なく思ってたりする。

このご時世に吸血鬼という非現実的化け物。機械的に管理された昔気質のSFパロディを描いたようなこの世界に化け物一体。最初、血を吸われた時にはカニバリズム嗜好か猟奇的思想でも持ち合わせているのかとゾッとしたが、吸血鬼だと告げられた瞬間驚愕を通り越して呆れて、掠れた笑いしか出てこなかった。逆にそういう嗜好や思想の方がまだマシだったかもしれない。

「信じられるわけがない」

そういって薄く笑う俺にこれで信じてくれるかと、さなぎが蝶に変わる瞬間羽を綺麗に広げるのと等しく、バサリと音をたてて黒い羽を舞い広げた。俺が見ている目の前で。そこで美しい綺麗だ、と感じてしまったのがそもそもの間違いというか吸血鬼(コイツ等)の魔力だったりするのを後から知ったが。
「....本物だ」
そういってバサバサと少し大袈裟に羽を動かす。




「......佐々山、口が開いてる」

そりゃ、開くさ!!!
と思わず突っ込んでしまう。脳内で処理しきれるような事ではなく、頭がカンストしてエラーを起こしている。他力本願。頼む、誰か助けてくれ。

「...........」
ポカンと口が開いてからパクパクと空気を求める打ち上げられた魚のようにだらしない俺とは対照的に狡噛がジッと静かに見つめてくる。懇願するかのように。

2014/08/30(Sat) 12:51 

◆ニャア.....ッ♥(イメージ) 

※狡噛×猫耳狡噛




「そうだ....イイコだ」
「あっ...あぅ....ッ、ニャァ.....」
サディスティックな表情で首の下をツゥとなぞられくすぐられ、体が震えた。
この表情をした慎也には逆らえない...。本能なのかその先を期待してしまうのと何をされるか分からない恐怖がない交ぜになって伏せた瞼が微かに揺れた。ただ、小さく声をあげ、されるがまま.....従ってしまう。
「慎也、」
「!....ニャア........ッ」
手首を一纏めにされネクタイを使って優しく縛られた。そして後ろを向かされ顔だけベットに沈め臀部を高くあげられた。
「イイコだ...慎也...」
スルリとむき出しの臀部を指でなぞりあげる。太ももから内股足裏まで、そうしておいて一切ぺニスに触らない。
「ウゥッ....ッ、ウッ、ニャァ...........ッ」
熱を含んだ吐息が狭い部屋にやけに大きく聞こえた。と同時にフゥ、と露の臀部に息をふきかけられた。
「あ....ぅ....ッ」
「腰...揺らして...エロいね、慎也.....」
「!?...ふ....あ.....」
耳元でフッと笑う気配がし、鼓膜に直接囁かれる。ギュッと目をつむり視界をシャットダウンしていたため気付かず慎也の囁きに背中がビクビクと電流を帯びたように震えた。
「...ハァ.....ハァ....ッ」
シーツに深く顔を埋めなるべく顔を見られたくなかった。自分がどんな顔をしているかなんて考えたくもなかった。そうでもしなければ羞恥でどうにかなってしまいそうで...。
「ほんとに......イイコだ....慎也...」

2014/06/20(Fri) 21:29 

◆M 

「ンンォ...!ンンンンッ...」
ガシャンガシャンと左右の手首が何かに繋がれている音が、無機質な部屋に響わたる。
真っ暗だ。
柔らかい布地で眼光は遮断され、口許には唇を噛んで傷つけないようにと、猿ぐつわをされた。着ていた着衣は白シャツ以外全て脱がされている。プラスチックのような冷たい感触が皮膚から伝わってきた。
キリスト断罪みたいだ、と薄れた意識からひどくどうでもいいことを考えた。
十字架のように上下左右に長く延びた金属製の台に座らされ、左右の手首足首を鎖のようなもので拘束され十字架に繋がれ、足下だけは大きく開かされた。普段閉じていなければいけない部分を無理矢理開かされ、空気に晒す。幼少から教え込まされた規則正しく守らなければならないモラル、公共道徳から反した無様で破廉恥な格好。脳がこれはいけないと、してはならないと警鐘を鳴らし全身に行き渡る羞恥と背徳感で背骨がゾクゾクと電流を浴びたように痺れた。息が荒くなる。思わず上を向いた。
何もしなければ必然的に頭を垂れる形になるのは神に対しての懺悔にほかならないのに。この格好で神の断罪とはあまりにも非人道的で、思わず、キリストと同じように断罪されてしまいそうだと考えてしまった。全身で痛みを許容させるために一つずつ一つずつ酷く丁寧に穿たれた杭のように。


「おーい、慎也 大丈夫か?」
「..........」
「おーい、慎也」

この男の大丈夫がきちんとした言葉の意味を持って発揮されたことは一度もない。ただ、聞いてるだけなのだ。意味はない。これからこの男が俺に何をするのか、俺がこの男に何をされるのか。圧倒的に行動を支配をされた状態で不謹慎にもゾクゾクとした奇妙な緊張感に満たされた。俺が分かるのはこの男の息遣いと身体に触れられた時の感触だけ。そう思うとより一層ゾクゾク、興奮した。
Mだな......自分でも自覚している限り。

2014/04/08(Tue) 20:30 

◆浅草 

浅草の町にて

雷門から歩いて約数分
彼は出会った
最も出会いたくない男に

「・・・」
目があった瞬間お互い立ち止まる
二人の間の空気や時間が逆流して、
緩やかに止まった

片手にたこ焼きを、もう片手に人形焼きを持ち合わせた白髪の男。
片手に線香をもう、片手に浅草饅頭を持ち合わせた黒髪の男。

「・・・・・・・・・・・・」
どれくらいの時間が経っただろうか
二人は見つめあったまま硬直していた。浅草ならではの騒々しさが、二人のまわりの空気と対称的なコントラストを描き出す。


しかし、長くは続かなかった。

「ッッ!?待てコラ槙島アアアア!」
黒髪男の咆哮が響き渡る1テンポ手前、白髪の男ーーーー槙島聖護は走り出していた。全速力で、自分が今きた方へと。
驚いた人々がなんだなんだとざわつき波紋を落とすように広がっていく。その中心に二人はいたが、それも一瞬の出来事で直ぐに黒髪男も走り出す。自分のきた道とは真逆に、またしても「槙島アアアア」と叫びながら。

「待てっつってんだろうがァァ!?」
黒髪男の槙島を呼ぶ声は、徐々に裏社会のスーツきた顔に傷ある人のソレに近くなる。
「誰が待つんだいっ!!!」
槙島が放つ言葉はある怪盗三世のソレに近くなる。

しかし、必死に走りながらも槙島は一口、一口と右手左手の食べ物を交互に素早く、口に入れていく。
どんだけ器用なんですか貴方は!!、とどこからかネットハッカー(42)のツッコミが聞こえてきそうだがそんなこと気にする槙島ではない。「クフフ、これこそが人間の魂の輝きだよ(キリッ」と頓珍漢なことを言ってのけるだろう槙島はついに神納寺の中へと突入した。


「コルゥア!!!どこだ槙島ァアァア....10秒以内に出てこないなら・・・」
ひたすら走っていた黒髪男は走るのを止め、立ち止まった。大きく口を開け業と聞こえるように言葉を紡ぎだした。追ってきた黒髪男を巻くため、神納寺境内裏に隠れている槙島聖護は先の言葉を聞かんと息を潜めた。

「お前が今持っている本を没収す「えッ」
しまったと、口を押さえ込む槙島だがもう遅い。小さいとは言え思わず口から出てしまった驚嘆の声を、黒髪の男が聞き逃す筈がない。

「見ぃ〜つけた♡」

案の定口を押さえてから3秒経たず真上から黒髪男ーーーー狡噛慎也の(ドスの効いた)声が降り注いだ。

心中槙島聖護が、「天にまします我らが神よ....どうか命だけはお救い下さい----------」
と人生初の神頼みをしていることを狡噛慎也は知るよしもなかった。というか、むしろ知りたくない。

「.............お手柔らかに頼むy「バ ギ ィッ」」槙島の切望が言い終わる前に狡噛慎也の人間離れした華麗なるボディブローが座っていた槙島聖護を天高く空へ空へと押し出した。

2014/04/08(Tue) 20:25 

◆宜野座嫌いなわけじゃないよ!大好きだよ! 

只今、恋愛中。
俺の頭は恋によってとうとうイカれたのかもしれない。


「アレ、宜野座さんじゃないっすかー
ここで何してんすか?」

公安局内にある休憩スペースに座っていたところで縢がやって来た。
「ここにいるんだ。休憩するために決まっている。」

「へぇ、サイボーグみたいな人でも休憩っているんですねー」

「・・・」
縢の減らず口はとどまることを知らない。無視をして、先程自販機で購入した珈琲を開けて口に含んだ。いつもは頼まない、ブラック珈琲だ。

「あ、それコウちゃんが飲んでるやつ」

驚いて、ブッと盛大な音をたて珈琲を吹き出す。
「っ!?」

「え、何驚いてんすか。いつものことじゃん、コウちゃんがブラック珈琲飲んでるなんて」

違う、そんなことは知っている。とっくの昔から知っているんだ!そのことで驚いたのではない。縢が狡噛の好みを知っていたことに驚いたのだ。
「縢・・・何故狡噛の好みを?」

「何故って・・・」

ごくりと自分の
生唾を飲み込む音がきこえた。

「いつも一緒にいるからっすよ」

「!?」

「だって俺達執行官」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



縢に食いつかんばかりの獰猛さを秘めた瞳はすぐさま閉じられ首からガクリと崩れ落ちる。

「・・・どうしたんすか」

「いや・・・何でもない 忘れてくれ・・・」

壮大な勘違いをした自分に涙が出そうになる。
恋とはこういうことなのか?
若干半信半疑ながらも自分の重症度を感じて溜め息を付かざるえなかった。

「・・・じゃあ、もう俺もどりますわー」

「ああ・・・」








一係に帰る道すがらの縢に
「ガミガミメガネ分かりやすすぎでしょwwwwww」
と、盛大に馬鹿にされていたことを監視官ガミガミメガネは知らない。

2013/04/21(Sun) 22:17 

◆狡噛慎也の立ち位置 

ああ、・・・・・・
痛い痛い・・・
狡噛は得体の知れないお腹の痛みを先程から感じていた。
何だこれは、、、
自分に問い掛けながら宜野座のようだと少し笑ってしまった。
しかし笑うことさえも痛みに通じて、狡噛は小さく呻いた。
本当に、何なんだこの腹痛は。
腹痛から連想するのは今日何かお腹を下すようなものを食べたかということ。
しかし、そんなものを食べた記憶はない。いつも通り、公安内にある食堂でカレーうどんを注文して食べただけである。
狡噛は見掛けによらず、甘いものは好んで食べるが、今日は食べていない。
ということは、このお腹の痛みには別の原因があるということになる。
一体何なんだ・・・痛い・・・

「あれ、狡噛さん?どうしたんですか?」

うつむいて小さく呻いていたところに、常守の声が頭上から降ってきた。

「つねも、っ!・・・り・・・」
弱々しく顔を上げると、心配そうな顔が思った以上に近くてびっくりする。
「腹痛なんだ」

「大丈夫・・・じゃなさそうですね」

「・・・ああ」
恥ずかしいながら誰かに心配されないように無理をして振る舞うことすら出来ない状態だった。
常守にも正直に言うことしか出来ず、しかも大の大人の男が痛い痛いと腹痛ごときで呻いてるなんて恥ずかしいことこの上ない。

恥ずかしいと思った瞬間、顔が熱くなる。
「大丈夫ですか狡噛さん。顔まで真っ赤ですよ。」

そしてそれを直ぐ様常守に指摘される。ああ・・・、恥ずかしいからやめてくれ。お腹の痛みとは別に顔に血が登り、血液が逆流するのが何となく分かる。頭までふらふらし始めた。
「・・・」

「狡噛さん?」

まずい。声がでない。片手で頭を抱え、片手でお腹をおさえ、再び俯いてしまう。
「狡噛さん!?大変です!唐乃社さん!」

タイミングよく情報伝達の女神様、唐乃社がいたらしい。常守が名前を呼んでいる。

「んー朱ちゃん?」

「大変です!狡噛さんがー」



ありがとう常守。素直に感謝した瞬間、

「狡噛さんが、女の子のアレでお腹が痛いそうです!!」

「あら、それは大変ね。

今すぐ、女の子用の鎮痛剤持ってくるわね」

唐乃社の足音が遠ざかるのが聞こえた。腹痛・・・
待て、
俺の腹痛の原因がそんなわけあるか・・・そんなことになったら大変だ、逆に。
おい、コイツら馬鹿か。

「ばか・・・」

俯いたまま狡噛が小さく呻いたことを女子二人は知らない。

2013/03/21(Thu) 21:17 

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