魔物の使役者

□X-本音
1ページ/5ページ




夜…




あたしは中庭に来ていた。

皆は寝静まっている。







…急に友達の事を思い出した。





自分と同じくドラクエが好きで、いつもドラクエのトランプを持ち歩いてた絢香(あやか)。

ドラクエは知らないけれどRPGが大好きで、いつも話に乗ってくれた美崎(みさき)。

ドラクエやハンター×ハンターのゲームが好きで、ドラゴンクエストバトルロードビクトリーのカードを沢山持っていた濬督(しゅんすけ)。

濬督の友達で、ドラクエが大好きだった嚠聲(りゅうせい)。



…いつもいつも、放課後に部室に集まってドラクエ談義してたっけ(笑)


たまに校則を破ってゲームを持ち込んだりしてた、あの頃。

…たった二・三日離れただけなのに、なんだか随分前のような気がする。





『絢香、美崎、濬督、嚠聲…今頃何してるんだろ』






―会いたい…。



唐突にそう思った。

でも、使命を投げ捨てて行くわけにはいかない。


だからもう少し…もう少しだけ待ってて…。









そんな願いを込めて、あたしは歌を紡いだ。







次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ