魔物の使役者
□X-本音
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夜…
あたしは中庭に来ていた。
皆は寝静まっている。
…急に友達の事を思い出した。
自分と同じくドラクエが好きで、いつもドラクエのトランプを持ち歩いてた絢香(あやか)。
ドラクエは知らないけれどRPGが大好きで、いつも話に乗ってくれた美崎(みさき)。
ドラクエやハンター×ハンターのゲームが好きで、ドラゴンクエストバトルロードビクトリーのカードを沢山持っていた濬督(しゅんすけ)。
濬督の友達で、ドラクエが大好きだった嚠聲(りゅうせい)。
…いつもいつも、放課後に部室に集まってドラクエ談義してたっけ(笑)
たまに校則を破ってゲームを持ち込んだりしてた、あの頃。
…たった二・三日離れただけなのに、なんだか随分前のような気がする。
『絢香、美崎、濬督、嚠聲…今頃何してるんだろ』
―会いたい…。
唐突にそう思った。
でも、使命を投げ捨てて行くわけにはいかない。
だからもう少し…もう少しだけ待ってて…。
そんな願いを込めて、あたしは歌を紡いだ。
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