天空の花嫁と幻の姫君
□新たな日常
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幾日か過ぎて…
ゲマ「…そろそろ新しい奴隷を捕まえなくては」
『…今度は何処だ?』
ゲマ「ラインハットです」
…ああ、あの懺劇が起きてしまう。
弟に…悲しい顔をさせたくはない。
『妾もついて行く』
ゲマ「…まあ良いでしょう」
【ゲマはルーラを唱えた!】
遺跡…
『妾は入り口にて待つ…狭っ苦しい所は嫌いだ』
ゲマ「では後程…」
ゲマは遺跡に入っていった…
…そろそろか?
そっと入って行くとパパス国王が、ゴンズ&ジャミと闘っていた。
ゲマは男の子の首に、死神の鎌をかけている。
とうとうパパスは力尽きた。
だがまだ生きているのは明白だ。
パパス「アベル…お前の母さんと姉さんは…必ず何処かで生きている…!
私に代わって二人を…!」
ゲマがメラゾーマを唱え始める。
『止めておけ、ゲマ』
ゲマ「!教主様!?」
『その者達は奴隷に最適だ…特にその父親はな…』
パパス「!」
『力仕事が多くてな…大人の男手が欲しかったところだ…ガキばかりでは出来んだろう?』
ゲマ「しかし…」
『こ奴等の事は妾が責任を持つ』
ゲマ「…分かりました」
『用は済んだだろう?
帰るぞ』
ゲマ「はっ…!」
【ゲマはルーラを唱えた!】
神殿…自室
―パパスsaid――
『すまんな、パパス殿。
手練れの者が失礼をした…』
「…」
『…どうしたのだ?』
「教主様…とか言ったな?名はなんと言う」
『…名は明かせん。
そうだな…10年。
10年経ったら言おう』
「…」
『所で、こ奴の母と姉は…どんな人達だ?』
「…モンスターの仲間なら分かるだろう?
母はエルヘブンの民、マーサだ」
『となると…貴方様はグランバニア王国の国王では?』
「そうだ」
『そうか…あの国に、こんな可愛らしい王子が産まれておったか…』
…何やら懐かしむような顔付きをする。
「…グランバニアの領土に住んでいたのか?」
『ある意味…な。
小さい頃モンスターに連れ去られて行方不明扱いされた…。
誰も迎えには来てくれぬ』
「…」
『…で、王子の姉様は?』
「…貴女と同じように、小さい頃モンスターに連れ去られてしまってな…。
私はマーサと…娘のライラを探しているのだ…」
『…』
…フッと見ると、彼女は泣いていた。
泣きじゃくりながら、私にこう言った…。
『…父上(泣)』
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