Fall in love again……
□News of a death
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仁王くんは独りじゃない、テニス部の皆だって仁王くんの事…心配だけど…
ずっと待ってるって言ってたから。
幸村は仁王くんがテニス部に復帰できることを部長として、
仲間として待っている。
自分がテニス部に戻った時の事を思い出しているんだと思う…
――あの日以来、仁王くんは人の体温が無いと眠れなくなった。
仁王くんは繊細な人だから、傷つきやすくて、
誰よりも人肌に飢えていた…
エリと仁王君を引き裂く事なんて、私にはできなかった。
あんなに幸せそうにしてたエリを悲しませるようなことなんて出来るはずが無い。
エリの幸せを心から願ってたの、に…運命はなんて残酷なの……
あの頃の私は、見てるだけで精一杯。
2人の隙に入る度胸なんて…皆無。
「あのさぁ、佑菜。そろそろ当たって砕けてくれば?」
『―――煩いな!そういう事言わないでよね!分かってんの!
叶わない恋だって分かってても、諦められないんだから!
二人の仲を壊せない、なんて綺麗事だって分かってるし、
逃げてるって分かってるけど……やっぱり無理だよ。』
―――分かってた、佑菜が仁王しか見てない事くらい。
でも、可能性がゼロでも諦めたくないんだ、これだけは。
気付いたら、口走っていた。
"佑菜、じゃあ俺にすれば?"
『幸村……、』
「ごめん、卑怯だって分かってるんだ…依琉が一番、仁王に伝えたい言葉だって知ってたのにね……」
中学の時にも一度告白されてるけど、曖昧な返事しか出来なかった。
あの時の自分は自分のことで精一杯で、
幸村の気持ちを全く考えられなかったんだ、
今なら言える、ごめん、幸村…
あの頃の私は、まだ幸村に甘えられる資格なんてなかったから―――