That's  another*

□Love*03
1ページ/3ページ

―何だか落ち着かなくて、雅の足は自然とテニスコートに向かっていた。





スパン、と鋭いインパクト音に心躍らせながら、雅は小走りにコートへの道を急いでいると、

コートの手前のギャラリーから甲高い歓声らしき声が、何故か、テニスコートから聞こえてきた。



『な、なん・・・?』


ガシャンとコートの扉を開けると、ギャラリーには派手な女子たちが群がり、


コートには練習している部員たちの姿。



思わず、は頭の上にクエスチョンマークが浮かぶ、雅には理解できなかった。


芸能人がいる訳でもないのに、なぜ騒ぎ立てるのか…






「来たんか、面白いじゃろ?」


だらだらとした歩き方でこちらに向かってくる兄。




『幸村先輩って強いん?』



所々訛りの入った声に幸村はぴくり、と反応する―――





(また、来ているんだ、ちょっと嬉しいな。
これが俺に会いに来たとかだったら物凄く、嬉しいんだけどね。)


〔告白すればいいだろう、お前なら即、アイツの彼氏になれると思うが。〕


仁王達から多少、離れたコート内でこんな会話がされている事は誰も気づかない。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ