全力レンアイ
□向日葵
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ショートヘアで、キャラメルみたいな髪色の女子がたった今、俺の目の前を駆け抜けていった。
昨日の入学式で会ったきりだと思っていた。
「仁王、アイツって・・・」
「入学式で会った女子じゃろうな。」
見るからにフットワークが軽そうで、やんちゃだというのが彼女の第一印象だった。
カラン、と音のした方を見ると、プラスチック製の名札が足元に落ちていた。
「――なんか落ちてたんだけど、何だよコレ…」
ブン太が拾い上げたのは、プラスチック製の個人に配られた名札が二人のいる、体育館通路に落ちていた。
名札には、"立海大附属中 3-C 幸村精羅"と。
「……幸村くんに兄妹居たっけか?」
「知らんけぇ、尋ねてみたらどうじゃ?」
―――幸村君の兄妹、どんな奴か楽しみだろぃ?
―――好奇心なら人一倍ありますが?
名札からはじまる恋?
――入学式はあまりにも人が多く、
このマンモス校である立海で探せるはずもなく……
結局、放課後に探すことになった。