That's another*
□Love*01
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――他の女子たちとは全く違うけど、強いオーラをひしひしと肌で感じた。
―――それに、俺が今までに会った事のない、女の子だったから…こんな俺でも覆してくれるかもしれないと思えた。
『雅です。宜しくお願いします。』
ペコッとお辞儀をしたその子の目を見て、不覚にも…どきり、と胸が跳ねた。
「幸村精市だ、よろしく」
綺麗なアルトボイスが耳を駆け抜けて行くように爽やかで印象深い声だった。
『あ!!ハル兄と被るから、下の名前で呼んで下さい!』
「そうだね、俺も名前で呼んで欲しいな…駄目かな?」
君の笑顔に惚れてしまった、ある春の日のこと。
活発で笑顔が眩しい、雅―――
『……ファンクラブに目ェ付けられそうなんけど…』
困ったように笑う君の表情すら…可愛いと思ってしまう―――
「それは平気じゃろ、"仁王雅治"の妹なんよ?」
『ハル兄、超有名人やったん、忘れてんもん…』
――今まで、成り行きで付き合った女の子たちは何人かいたけど…
俺が心から好きになって欲しいって思ったのは、初めてだった――…