オレンジガール
□海開き
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結局、幸村たちと海に行くことになり、そわそわ落ち着かない奴もいれば
前日の今日になって憂鬱な気持ちのまま、ため息をつくものもいる、
「明日だよなっ!超楽しみ―!!」
『ーーやっぱ、行きたない。』
どうしてそこまで気にするのか、理由を知るのも、
雅の新たな一面を知るのも明日の事。
「嫌がんなよー!!可愛いぜ?」
『無理やもん・・・』
ロングワンピースにミュールを履いてやって来た雅に思わず見惚れてしまった、
幸村と柳、
赤也はふみに可愛い攻撃を続け、困惑している
「似合っているぞ。」
柳はそう言って褒めるが、幸村は口元に手を当てたまま、固まっているーーー
雅以外の人間はこの幸村の仕草に苦笑した。
"全く、幸村君は重症だろぃ"
好かれている自信が皆無な幸村は心の中で悶々と考えていた。
"もし、俺が蓮二みたいに褒めても、また露骨に嫌な顔されるなら、俺はどうすれば"
「−良いんじゃない」
―本当は可愛くて仕方ないのに、どうして大事な所で引いてしまうんだろう
ちゃんと褒められたら、もしかしたら、万に一つぐらいい、
照れる雅を見れる可能性はあったかもしれないというのに、
俺はどうしてこんなに雅だけは臆病になってしまう
"可愛いよ"
"似合ってる、雅によく似合っていて可愛いね?"
"俺だけに見せてよ"
雅に言いたい、伝えたいこの優しい気持ちは。
雅の前に出ると靄のように霞んで、思った通りの事が言えなくなる・・・・・
雅のふわりと笑う笑顔が好き、閉じ込めて、囲い込んで、
俺だけのものにしてしまいたい位に愛してるんだーーーー