prince&princess

□黄昏時の君は
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買い出しの途中

笠原が、後ろからついてこない。

「どうした?」

そう聞くと、

笠原は、こっちを見て

…泣いている。

慌てて

「笠原!?どうしたんだ!」

そう聞くと、

笠原は指をさす。

そっちをみると、



夕陽がキラキラと黄色く。

黄昏時だ。



あまりに綺麗で、

あぁ、感動したんだな

と気づく。

「笠原。お前、綺麗なのは分かるけど泣くなよ。心臓止まりかけたぞ。」

そう言うと

「あんまり綺麗で…私たちが闘ってても、意味があるのか分からなくなっちゃいました。まだまだですよね。」

――

「きょーかん!?」

なんだ、急に俺を呼んで

と思って自分をみた。

笠原の頭を右手で肩に持ってきて、左は腰に当てて。

つまり抱き締めている。

自分でも吃驚した。

「あ…のな、お前があれだ…酷い顔で泣いてるからだ、隠してやるから、泣き止め。」

言い訳がグダグタだ。

体が勝手に動いたのだ、後付けは苦しい。

しかし、笠原は素直に

「はいぃ〜!ずびばぜん〜!うっ…ゲホっ」

と言いながら咳き込む。

「もうちょっと、可愛らしく咳き込めよ。」

といいながら、背中を叩いてやる。




黄昏時の君は




(堂上、昨日笠原さんを抱いてたの?)(小牧!お前いつ見た!?)(あ、認めるんだぁ。柴崎さんとのタッグだよ。)(…!柴崎!!)


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