prince&princess

□ココアが冷えたら
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「篤さぁーん、黒ココアと白ココア、どっちがいい?」

「ん…白だな。」

「わかったぁ、まっててね!」

笠原家は本格ココア派らしく、手際良く、鍋をつかい牛乳でココアを溶かす。

すぐにココアがでてきた。

郁はココアだけはプロ並みに作ってくれる。

「郁は、ココアだけは上手いよなぁ。癖になる。」

「だけはって!」

「あぁ、ごめん、ごめん。」

軽く謝ったのがすぐにばれ、

「もう!ココア冷やしてやる!貸せえっ!!」

郁が手を伸ばし、熱々のココアが

《ビシャッ》

「あつっっ…!」

ココアが少し手に零れる。

「キャア!!!!篤さんごめんなさい…!!」

「だい、じょうぶ、だ。」

郁は、もう泣いて

「ホントにごめ、ごめんなさい」

俺が泣きたいんだが。とは、言わずに頭を撫でてやる。

「大丈夫だから。もうすんなよ。」

「しない!!けど、何か1つ言うこと聞く!!」

このくらいで聞くのか、と思いながらも考える。

「…じゃあ、郁食べたい。」

ふざけて言ってみると

やっぱり郁は顔を真っ赤にし、

「う、それは、」

はは、考えてる。

言うこと聞く

って言った手前断れないんだろう。

「じゃあ、


ココアが冷えたら、


でいいですか…?」




(今が良い。)(え!てか、即答ですか!)(だってお前、可愛すぎだ。)(篤さんだって!)




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