prince&princess
□今でもあなたの最期が見える
2ページ/3ページ
「うん、解った。うん…うん、あ、なるほど。じゃあね。」
柴崎は電話を切りため息をついた。
どうしよう。
笠原はいまだに引きずってるのね。
光はフラッシュバックとかいってたけど、ずっと抱えてるんだろう。
―昼休み
「かさぁっはら!!」
「あ…柴崎。」
笠原は目を腫らして、元気なく答えた。
「昼行くわよー。今日はランチにでない?」
「うん。」
そうやり取りし、基地をでる。
歩いて、静かなカフェに入り注文する。
「笠原ぁ、まぁた涙がでたんだって?」
「うん、もう嫌になる。」
「なんで?」
あえて聞く。
「ふとしたら、あのシーンが頭でぐるぐるして。忘れなきゃって思っても、」
慎重に喋る笠原に、こっちも慎重になる。
「笠原、何を忘れたいの?教官を?事件を?」
多分大事なことをなくしかけてる。
「教官…は、あ、分からない…」
もう涙目な笠原を見て自分も泣きそうになる。