novel

□この恋がきみを殺すまで
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ダンッという大きな音と共に
ロッカーに体がぶつかる。

多分今のは痛かった。
でも、逃げるのに必死になってるから
気付かないかもしれない。

決して声には出さず
心の中で
ごめん。
と呟いてみる。







本当はそんな事思ってないけど


練習終わりで汗をかいた
でも白くて綺麗な首に
手を当てる。


後は簡単。
両手に力を入れて行くだけ。
綺麗な首に自分の指が
食い込んでしまうのは
少し嫌だが、跡が付かなければ
大丈夫だろう。


体格差があるから
さすがに抑えるのは無理かと
思ったけど、ロッカーが壁になってて
逃げることは出来ない。


別に殺してしまおうとか言う
物騒な事を思ってるわけではない。
特に理由なんてないのだ。


でも、今此処で殺してしまえば
真ちゃんは俺の事恨んでくれて
ずっと記憶に残るんだったら
それも悪くない。

そんな事を思いながら
徐々に首を絞める力を強くしていく。


「うっ…、はぁっ……くっ!」

なんて言うなんとも
エロティックな声と
俺の肩を押して抵抗する姿も。

見れば見るほど
ゾクゾクと何かが湧き上がってくる
ような気がする。


「ごめんね。真ちゃん」
状況を理解出来ていない
真ちゃんになんとも偽善的な
そしてなんとも残酷な
言葉を紡いで。

恐怖と苦しさによって
浮かべられたら
綺麗な瞳から溢れだす
雫を舐めとって。











「早く俺の物になってよ」


ちゃんと全てを愛してあげるから

Titele 確かに恋だった

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