拍手お礼SS
□おだやかな幸せ
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日常の中の表れる貴方の変化に、私は大きな喜びを感じるのです。
それがほんのささいなものでも……。
『悟アナ』脱稿明けの松田ハイツ。
「……差し入れ、ありがとうございます」
騒然として部屋で、ぐったりとちゃぶ台に伏していたブッダは目の前でお茶を啜っている梵天に口を開いた。
ちなみにイエスはインクを顔に付けたまま、畳に寝転がって熟睡している。
「お気になさらず。疲れた時には甘い物といいますから、ダイエットなんてやめてたくさん食べなさい」
言いながら、梵天は自ら持参した天人お手製の菓子を口に運ぶ。
「もう毛穴から無理やり入れるのはやめて下さいよ」
力なく反論しつつ、ブッダもパクリと口にした。
視線を感じたブッダは、チラリと梵天を見上げる。
「なんです?」
「いえ、なんでもありませんよ」
梵天はブッダに笑顔を向けると湯呑に口を付ける。
「………なんか嫌な笑顔ですね、梵天さん」
ブッダは唇を尖らせ、また一口菓子を含んだ。
仏らしい穏やかな表情しかあまり見せない貴方。
すねたり、怒ったりしてくれるという事に、私は少しは自惚れてもいいのでしょうか。