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□狭量な愛
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●狭量な愛● 



いつから、淫らな目でシッダールタを見ていたのか。



梵天は10歳の時から教師として護衛として一番近くで成長していくシッダールタを見てきた。



入浴後の薄着で無防備に私の部屋へ上がり込んでくる彼。



男性にしてはやわらかく丸みを帯びた体を見せつけられて何度理性が崩れかけた事か。



必死で平静を装う私に、可愛そうなシッダールタは純粋に笑う。



貴方の隣にいるのは、守ってくれる存在ではなく襲いかかろうと牙を剥いている獣だというのに。



月日が流れ、再会して理性が壊れたあの夜、シッダールタを無理矢理抱いて泣かせた日からしばらく経って、少しずつ心を通じ合わせる事が出来るようになった。



傷付けた分、思いやって甘やかしてあげたかった。



酷い行為を思い出させて怯えさせないように、口付けだけで我慢してはいるが、優しくしたいと思えば思うほど、シッダールタを隅から隅まで貪りたくてたまらなくなる。



私の腕の中で思い切り鳴かせたい。



溢れる欲望を注ぎ込み、一時たりとも忘れられないようシッダールタの心と身体に自分という男を刻み込めたら。




貴方の全てが欲しいなんて言わない。



私にはシッダールタ以上に大切な人はいないから。



だから。



この狭量な愛に流されて、私を求めて――。

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