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□熱に浮かされて
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朝起きれば、立川の地は一面真っ白な雪景色。
昨晩やけに冷えたのはこのせいらしい。
「イエス、雪だよー!」
ブッダが未だに眠るイエスに声を掛けると、ふとんがもぞもぞ…っと動く。
「せっかくだし、私ちょっと座禅してくるね」
苦行のチャンスとばかりに、身支度をするブッダ。
その浮かれたような声に、布団にすっぽりとくるまっていたイエスは顔だけ出した。
「ブッダ、程々にね…」
いそいそと外に向かうブッダに声を掛けると、イエスはぬくぬくとした布団に潜り込み二度寝を決め込んだ。
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数時間後
「…ックシュン!」
ガタガタと震えながら、何度もクシャミをするブッダ。
「もう、こんなに濡れて〜」
イエスはびっしょりとた水をしたたらせたブッダの髪をタオルで拭いてやっている。
「大雪にテンションがあがっちゃって…つい…っハックシュンッ!」
イエスはオロオロと心配げにブッダの額に手を当た。
「やっぱり熱が出ちゃってるね〜。家の事は私がやるから、君は大人しく寝てるんだよ」
さっそく布団の準備をするから、と立ち上がるイエス。
「う〜〜…ごめんよ、イエス…」
イエスが離れると、さっきからズキズキとしていた頭の痛みが急に増した。
「あ、れ…?」
ぐにゃりと目の前が揺らぐ。
「ブッダーーーー!?」
イエスの焦った声を耳にしながら、ブッダは意識を失った。