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□無謀な貴方
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悟りを開いて間もないブッダは、誰も踏み込まない奥地にて瞑想していた。



「-------!!」



ふと、異様な気配を感じ取ったブッダは目を開くと、空間の歪みから巨大な悪魔が現れた。



「マーラと違って厄介そうな相手ですね……」



もし逃げたりして人里なんかにたどり着いてしまったら、その人間たちに犠牲が出てしまう。



布教する前に死んだりしたら、梵天さんは怒るかな……



そこまで考えて頭をふった。



動物たちが自分を守ろうと立ちはだかってくれている。



「私は大丈夫ですから、あなたたちは逃げて下さい」



きっと私が狙いなのだから、せめて動物たちだけでも逃げ延びて欲しい。



でも動物たちはブッダを逃がそうと、果敢に悪魔へと向かって行く。



「いけません!!」



ブッダは念仏を唱え、悪魔の動きを封じ込めた。



解き放たれようと、すごい勢いで抵抗される。



(力がもたない……っ!)



悪魔の力か、とつぜん衝撃があたりに走り、動物たちは痙攣して倒れ込む。



ブッダも片足を地につくが、なんとか持ちこたえる。



そんなブッダに悪魔がじりじり近づいてくる。



(もう、ダメかもしれない……)



梵天の顔が思い浮かんだ。



悟りをみなに諭すこと無く、こんな形でこの生涯を終えてしまいます事をお許し下さい。



このお詫びは浄土にて必ず……



動物たちは大丈夫かな……



(この悪魔を野放しにする訳にはいかない!)



今にも崩れ落ちそうな身体を気力で支え、印を結び直す。



天界のどなたかが気づいてくれるまで、私の身体よ……どうか持ちこたえて!
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