―Novel―

□恋愛的無関心
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「こっちこいよ」


そう言われたので手招きされた方向へ私は歩み寄った

「なんだ?」

「いや、興味なさそうだったから」

「そうか」

「………本当に嫌いなんだな、あーいう話」

「……嫌いじゃないよ、ただ…関心がない、だからそういう話に興味がもてない」

「でもお前さぁ、振り方ちょっとキツいんじゃねぇ?」



「私だって好意はありがたいさ
だけど…容姿で好きになられたって良くないだろ
だからあえて冷たく突き放してるだけ


もちろん自分の容姿が良いなんて思ってないが」


確かに 「ごめん」っていうのはまだいい方
大体は「興味ない」って断るから…



私は大きく溜め息をついた





「試しに付き合ってみろとか言うけど
試してダメだったら誰が責任取ってくれるんだよ、って思う」




南雲は私の話を聞いてるのかよくわからない

だけど今までの鬱憤を晴らすように話す
南雲は幼馴染だから、何でも言いやすかった






「優しい断り方してまた告白されるとめんどくさい。
みんな私が酷いって勝手に言うけど
その気もないのに付き合ったり、変に期待させるほうがよっぽど酷い


そんなにまでして彼女って必要なのか?」

「………ねぇ」

「え?」

「必要ねぇよ」

「……」

私はまさか肯定されると思ってなかったから言葉に詰まった






「お前が必要ねぇならいらねぇってことだ
おなかいっぱいのとき、わざわざ牛丼なんて頼まねぇのとおんなじだ」

「…あぁ」

「俺も思うよ

どうせ中学生の恋なんてまじめっぽくしてるだけで
実際「試食品」みたいなさ」

「……」












「彼女とか彼氏とかほしいみたいなのは
仕方ない…でも
みんななんか勘違いしてるぜ

ま、中学で付き合ってる人全てを否定する気はねぇけどよ」








「……南雲は好きな人はいないのか?」



私は南雲がそう思っているなんて知らなくて、
かなり驚いてしまったので、私は話題を違う方向に持っていってしまった



「…さーな」

「……いるんだろ」





しばらくしてこっちを見た南雲は私の顔をまじまじと見た


そして私のあごを指で持ち上げた


「まあ、こんなに美人なら告白されても仕方ねぇよ」







話題転換からの話題転換に
私はついていけていない





「こ、答えになってないぞ!!」




「なあ、涼野」




「…な、なんだ?」







恋に無関心なはずの私
今まで女子にどんなにアピールされてもなんとも思わなかったのに
いや、語弊がないように言えば
モテる男子とかと話しても、もちろんなんとも思わなかったのに







南雲に見つめられるだけで
顔がどんどん赤くなってくる
自分でもわかるくらい





「ちょっと、はなせ!」



私は顔を逸らした


「他人の恋愛はバカみてぇって思う話もあるけど



俺の恋はぜってぇ本物

お前と話してて思った」




「はぁ??!会話かみ合ってないんだが…」
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