―Novel―

□A HAPPY NEW YEAR
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新年、明けましておめでとうございます


こんにちは、緑川リュージです


「謹賀新年だな。今年もよろしく」

堅苦しい挨拶をしているのは涼野さん





「いや〜、年明けちまったねぇ!
漫画のキャラは年とらねぇけどシクヨロ☆」

その堅苦しさを大きくぶち壊してくれるニヤニヤ顔の晴矢くん





「ふふっ、あけましておめでとう」

最初の二文字で世界が破滅しそうなくらい、おぞましい空気を漂わせるヒロト









「遅れてすまない、あけまして…」

そして現れた砂木沼さん


少し遅れたことを詫びるけど
もう晴矢くんとヒロトに

「会いたかったぁ〜」って抱きつかれている




すぐさま涼野さんが引き剥がす


その顔はいつもと変わらない無表情だけど
二人は50M以上吹っ飛んでいった



…かなり力入れたな



「あ、涼野さん…」

「治はいつでも美しいな」

そう言って砂木沼さんに顔を寄せる涼野さん
ちょっとまわりの視線…
俺はその場から数M離れた(同類と思われたくないし)



「独り占めはよくないよ、風介」

そしてじわりじわり歩み寄るヒロト
きも…いや、やっぱりおぞましい

だからまわりの視線を感じようよ
痛いよ、君たち

まあ厨二病患者だから仕方ないか…




「治…、今日の夜は俺と寝ようよ
これこそ本当の初夜っていうんじゃないかな」



「黙れ変態!!」


そこで話を割ったのは晴矢くん




立ち直るの遅かったな
という突っ込みを入れる間もなく




「俺の治にてぇだすな」

とか男でも惚れる台詞を言い出した





まあ「女」だったらよかったのかもしれないけど「治」なんて
まるっきり男の名前だして
しかも同類のが二匹…二人もいるので周りの視線は更に白く、冷たくなってきた








「誰が治とデートするか、サッカーで決めようじゃないか」

「面白ェ…紅蓮の炎で焼き尽くしてやる!」

「ふっ、この俺に敵うとでも思っているの?」










またこのパターンかよ…、と呆れつつ
さすがに境内でサッカーは危ないよね


砂木沼さんは相変わらず困った顔してる






「ちょっと…」

俺が止めようとしたとき
巫女さんとぶつかってしまった



「きゃあっ」

「わっ…、すみません」

「いえ、こちらこそ…」

「いや俺が いきなり歩いたから悪いんです!あ、こんなところに泥が…」


巫女さんの服に泥がついていたので払ったけど綺麗に取れない


「どうした?」

砂木沼さんが駆け寄ってきてくれた
事情を話すと、ティッシュとハンカチを取り出して
綺麗に泥を落としてくれた



「ありがとうございます」

「いえいえ、礼にはおよびま…」

そこで二人の目があったとき、砂木沼さんは顔を赤らめた


「せん…よ」












涼野さんと晴矢くんとヒロトの顔が怖い





そうこれは


HITOMEBORE?!










二人はなぜか連絡先を交換している













新年早々、前途多難


でも砂木沼さんには幸福がきたので

やっぱりA HAPPY NEW YEARかな
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