―Novel―

□恋愛的無関心
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小学校までは

みんな女子なんてーって感じだった
少年サッカーに入ってる奴等も大体そんなんで
本当にただボールを追い回してた


だけど
中学に入ってから
男子も女子も
「彼氏」とか「彼女」とか「好きな人」とかの話ばっかり


もううんざりだよ





「おい涼野ー」

「なんだ?」

クラスの数人のグループが話しかけてくる

「お前さ、昨日あいつに告られたんだろ?」


あいつっていうのは
クラスの女子
いかにも遊んでます みたいな女


「なんで振ったの?」

「どんな感じだった?」

「あいつ可愛いじゃん」

放課後になるとこんなんばっか


「付き合ってとか言われたからごめんって言った」

「冷たいなぁ涼野は!」

「三組の安田とか好きだったんだってよ、ほかにも…」


はいはい そうですか



だから なんなのって言いたくなる






私は興味ない話に あきれ果てて
窓の外を見る

枯葉が宙を舞って弧を描いて落ちる
鳥が音をたてて羽ばたく

ねえ どちらでもいいから
その背中に乗せてくれよ

私はサッカーがしたいんだ

みんなサッカーだけ考えてる国にでも連れてって






もちろん、恋愛がいい効果をもたらすことくらい知ってるよ
人生において必要だってことも
人間一人じゃ生きられないから




けど 今そんなに焦って探すもの?


ゆっくりじゃダメなの?





「中学生になったから」
そんなの理由じゃないさ



高校生になったら
もっとめんどくさくなるのかな



仲が良いと思ってた友達も、みんな異性に浮かれてそわそわしてる


毎日が憂鬱だ


私は別に女子と話してるわけじゃないけど
なぜか告白される


まあ好意は嬉しいけど、話したこともないのにね…と思う




「涼野」



声をかけたのは南雲晴矢
サッカー部のエースストライカー
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