―Novel―

□日陰
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今日はとてもいい天気で
雲ひとつない青空っていう感じだった


秋って肌寒くなる季節だっていうのに
今日はとっても温かい


私は おひさま園のみんなの朝食が終わって
ちょうど洗濯物を干しおわったところだった



(今日はやけに眠いわね…)


ここ最近は疲れがたまっているせいだとは思っていたけど


上瞼と下の涙袋に磁石が入っているんじゃないかと思うくらい
眼を開けているのが辛かった




(縁側で少し休みましょう)



私は父さんが好きな縁側に腰かけ、すこし横になった



行儀良くないかしら…


でも今はみんな練習に行ってるから大丈夫よね



言い訳を考えて眼を閉じると一気に眠りに落ちてしまった











「砂木沼さーん、ちょっときてくださいよ!!」



遠くで緑川くんの声がしたので私はすこし目を覚ました



「あ、あぁ」



私の左側に誰かの影がある

寝起きの頭では それが砂木沼くんだと認識するのに時間がかかった



砂木沼くんは呼ばれたほうへ去っていく





(まぶしい)




見上げればちょうど真ん中で輝く太陽が眼に入った



(こんなにまぶしいのになんでもっと早く起きなかったのかしら)




そろそろ昼食の時間だわ…









私は急いで台所へ走った



その途中私は気付いた




(砂木沼くんが私の東に座って、日陰をつくってくれてたのね)








本当に 中学生なのかしら 彼


すごく気遣いができる子


























ヒロト「姉さんはいつになったら砂木沼くんの恋心に気付くんだろう」



緑川「ヒ、ヒロト!!しーっ」
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