人を好きになる条件

□Prologue
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「ん? そんなに驚いてどうした? もしかして若葉、再婚の意味を知らないのか? いいか、再婚の意味はな……」

「いやいや、再婚の意味ぐらい知ってるから! ただ、あまりにもいきなりだったから驚いただけよ!!」

「そんなにいきなりか?」

「いきなりだよ! だって、今まで父さんに付き合ってる人がいるなんて聞いたこともなかったんだよ!!」

すると父さんはキョトンとした顔をした。

「え、何で言わないといけないんだ?」

「え、むしろ何で言わないの!?」

「だって恥ずかしいじゃないか! もし父さんが恋人を家に連れてきたりして、
『父さん、とうとう恋人ができたんだね! 二人ともお似合いだから、さっさと結婚しちゃいなよ!』とか言われたくないんだよ!!」

私はどこの小学生だよ…。

「それに、それにだ! もしプロポーズしたとき、『私にプロポーズしたのって、あのとき娘さんに提案されたから? まったく貴方は私以上に娘が大事なのね』
って言われて振られたら父さん、お前のことを一生恨むことになってたから紹介しなかったんだ」

どんだけだ…。
というか、さすがにそれは考えすぎでしょ。
本当にこの人は考え方がどこかズレているというか何というか…。

けど、そこを追求していくと会話が続かなくなるので、私はスルーすることにした。
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