人を好きになる条件

□Story 2
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コンコン――。

結局、私は誘惑に負けて春斗さんの部屋のドアをノックしていた。

……反応なし。

コンコン、コンコン――。

もう一度ノックしてみる。


………………反応なし。

ドンドン――!

今度は強めにノックしてみる。
これで反応なかったら諦めよう。

「…誰?」

ドアの向こうから声が返ってきた。
その声は間違いなく春斗さんなんだけど、明らかに不機嫌そうだった。
私はさっきまでの強気モードが一瞬でどこかに行ってしまって、急に足がすくんだ。

「あ、あの…」

ダメだ。
声が上手く出てこない。

ガチャ―。

「お前か。何か用か?」

春斗さんはもうすぐお昼だというのに、寝起きらしかった。

「その…」

「何だ?」

こ、怖い。
睨んでいる瞳が私を余計に委縮させる。

「用が無いなら何度もノックするな」

そういうと、春斗さんはドアを閉めようとした。
ここまで来て、何もしないなんて嫌だと思った私はとっさに思い浮かんだ言葉を発した。

「あ、あの! ラーメンは好きですか!?」

「……は?」
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