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□俺様ミニマム会長の恋
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都心からだいぶ離れた、緑豊かな山奥の中には、男子だけが勉学を学ぶ、全寮制の学園が存在する。
この冒頭でBL好きな方達はピンとくるのではなかろうか?
王道な学園である。
王道学園ゆえ生徒会のメンバーは家柄、成績が優秀そして、整い過ぎた美形達が集まる。
だがしかし、残念な事に一人そう、一人だけ王道学園生徒会にいるはずであるキャラから外れている人物がこの学園にいる。
いや…キャラはいいのだ。
そう彼に足りないのは
○○
だったりするっグフフッ!
「ちっ、腐れ書記がさっさと仕事しやがれ!潰すぞ」
この口調で分かる人も多かろう。
我が学園の生徒会長様だ。
王道小説の中で会長と言えば、俺様そして整い過ぎた特上の容姿。
だが我が学園の会長様は残念な事に‥。
「身長がミニマム!ぐふっ‥」
心の中で叫ぶはずだったのに、俺はついう声高だかに叫んでしまった。
その瞬間我が学園の会長様から、生徒会室になぜある?と疑問を抱きたくなる厚みのある、家庭の医学書を顔面に投げつけられた。
「げふっ‥」
「てめぇの大事なもん、目の前で引き裂いてやるよ腐れ」
床に沈む俺の元に極悪人面をした会長様が歩み寄る。
しゃがんだと思いきや、会長様は俺の目の前に何かを出した。
「なっ‥なんで会長がそれを?かっ返してくれるよ‥ね?」
ちらつかされる俺の大事な大事な、隠し撮りの写真ちゃん達。
「くくっ、さぁな‥そう言えばお前はトンでもない事を口走ってたなぁ?」
「かっ‥会長‥ごっごめん‥ね?」
涙目で会長を見つめ謝罪の言葉を述べると、口唇をゆっくりと緩めた。
「バーカ‥誰が許すか、地獄を見せてやんよ」
あっ‥綺麗な笑顔なんて思った瞬間、目の前で写真ちゃん達が引き裂かれた。
「みぎゃぁぁぁぁぁあ!嫌だぁぁあ!」
「自業自得だ腐れ、もっと泣き叫ぶといい」
ビリビリと細々にされてゆく写真達に、俺はショックのあまり気絶する事になりました。
「ちっ、一生眠ってろ。」
気絶した書記を睨み付けた、ミニマ‥俺様会長はツカツカと歩き、自分のデスクに戻るのだった。