短編・中編本棚
□君ともう一度恋を
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《プロローグ》
ふわふわとした雲に浮かぶ夢の中。
場面は暗転し薄暗い夕闇の光景に変わる
するといつもの声が聞こえるんだ。
『芹菜君‥巻き込んでごめん』
いいよ気にしないで。
『本当にごめんね。君には関係のない事なのに・・』
なんでそんなに謝るの僕は大丈夫だから。
『ごめん・・、ごめんね』
そして貴方の記憶が僕の頭の中に入ってくる。
「っ!!」
ズキズキと頭の痛みに意識は次第に覚醒し、重い瞼を開いた。
「っぅ‥。そっ‥かあんなに謝ってたのはこんな事があったんだ・・。」
時計が目に写り針は起床である時間を指そうとしていた。
「シャワー浴びなっきゃ‥。つら‥かったねよね。苦し・かったね‥」
僕の中に入ってくる記憶は楽しい事であったり、悲しい事もある。
様々な貴方の思いや苦しみがそのまま僕のに映像とし入ってくる。
そして今日の記憶は貴方の最後の時の事だった。
すなわち貴方の死の瞬間を僕は見たんだ。
「自殺・・」
この時の貴方に救いの手は無かったの?
最後に聞こえた貴方の名前を叫んでいた人は誰?
『皐月‥止めるんだ皐月!』
ねぇ皐月さんきっと貴方は歩む道を間違えてしまったんだ。
だってこんなにも悲しい結末なのに、貴方は彼の声を聞き、微笑んだ瞬間屋上から飛び降りんだから。