短編・中編本棚
□腐った男子鞍馬君
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『くうたん☆情報やで、また転入生が来るらしいで☆☆』
眠い瞼を擦りながら、携帯を耳に当てると、オイラの眠気が覚める内容が耳に入ってきた。
「マジョリカマジョルカ、まぢっすか☆
」
『マジョリカマジョルカ、マジやでくうたん☆
ワイの情報が間違ごうた事あるかい?!』
「ニャイ☆ニャイけども、天羽きゅんのパターンをお忘れかい新きゅん!」
『あぁ…それは遠い過去の話しやで☆
何と今回はアンチでビッチな我が儘な奴らしいで、最近くうたんアンチ王道ハマッテたやん。』
「わぁお☆ニャラバ荒れるんかい!
まぁ、それはそれで白米5杯はお代わりできるけども…。
しかしアンチとはな…。ふぐぐっ…。」
『めっずらしいなぁ?くうたん変な物でも食べたん?』
「食べてにゃいけども…。新きゅん…?」
『どないしたん、くうたん?』
「ハァハァ☆巻き込まれ平凡は誰をチョイスしたらいいかしら☆
A組の設楽くんだろうか?それともS組の柳澤君かにゃ?!」
『ワイはC組長崎がオススメかな?』
「新きゅん☆」
『なんやくうたん?』
「レッツパーチーやね☆☆」
そんな会話をしていた5時間前のオイラの馬鹿野郎!!!
昼休みいつもの様に、天羽きゅんと手を繋ぎ食堂に行くと、不穏な空気が流れていた。
思わず天羽きゅんの制服の裾を握り、食堂の様子を伺う
「にゃにこの不穏なる空気!天羽きゅん、なんか鞍馬君怖いんだけどっ!!」
「あぁ、大丈夫。いざという時は俺が守ってやるから」
そう言いながら、天羽きゅんは微笑むと、オイラの頭を撫でられる。
いつもなら、ふざけた事を言うオイラだったけど、今日は静かに頷くと天羽きゅんの制服の裾を強く握った。
『あっ、姫だ!』
『誰か姫と王子を隠せ!!!生徒会と風紀の二の舞は懲り懲りだ!』
『隠せぇ!フォーメーションを組め!!』
「なっ、何が起こっとるの?」
「落ち着け鞍馬、大丈夫だ」
普段なら静寂な食堂は、変貌する
オイラと天羽きゅんは、屈強な生徒や可愛らしい生徒達に囲まれる。
「せっ制裁?!」
そんなオイラの声に応える様に聞こえる、ボーイソプラノの声が響く
「鞍馬様を制裁など致しませんから、悲しいお顔をしないで下さい」
「くっ鞍馬様ぁ?!にゃんのこったい!天羽きゅん訳分からんよ!」
「あぁ・・。俺と・ごほん。
おれの親衛隊の隊長だ、安心しな鞍馬。」
ふんわり笑顔の美人さんが天羽きゅんの親衛隊の・・・。
「隊長さんなんかい?!!!わほっ、天羽きゅんったらモテモテやね☆テヘっ」
「ふふっ、鞍馬様も大変おモテになるのですよ。たぶん無自覚だと思いますけど・・。」
「よく分かってんな、末永・・。」
「えぇ、お2人のファンですから。くすっ」
よく分からん会話がされていると、食堂に合わない声が聞こえてくる。