短編・中編本棚

□腐った男子鞍馬君
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だが‥。

何度天羽きゅんを呼んでも、天羽きゅんは来てくれない。

酷くねぇ?

けれどこんな時いつも助けてくれる人が、もう一人おるのだ☆

「何をしているお前達?此処は食事をする為の場だ。速やかに静まれ」

「けっ謙信先輩ィィィっ!オイラ貴方が大好きだぁぁぁ!」

「あぁ俺も鞍馬が好きだが少し声量を静かにさせような」

凛とした空気を纏い現れた男前な謙信先輩。

「ふぁいっ☆静かにしまふっぶ‥むぐっ」

お口にチャックをし先輩を見つめると、滅多に見れない謙信先輩の貴重な笑顔を見れた。

「よしいい子だな鞍馬は。ほら静馬離してやれ鞍馬を押し潰す気か?それと恵悟に冬。転校生の案内はどうした、きちんと説明して遣ったのか?」

「シマシタヨねぇカイケイ」

「そう‥っだね」

副会長様の棒読みkowai☆

会計も表情を引き攣らせ苦笑いしている。

けれど謙信先輩には副会長様の必殺技は通用しない。

「冬、お前って奴は副会長だと自覚を持てと何度言ったら分かるんだ?!」


さすが武士!棒読み状態で喋る副会長様に言い返す貴方をオイラは尊敬します☆

それに比べ静馬め‥ビヒリ過ぎてオイラを抱きしめながら、ブルブルと震えている。

何なのこの子?オイラ育て方間違えたのかしら‥。

「ねぇちょっと僕を無視するなんて最低?!」

わぁお!転校生が会話に交じってきたお☆

何かオイラが思ってたアンチ転校生じゃなくて、シュゴク(凄く)残念なんだけど、ビッチ臭がプンプンと香ってくる。情報は聞いてたけど、謙信先輩にだけは色目はダメなのだ絶対に☆

あの人は我ら学園の最後の砦、副会長様を制御出来る唯一の人なんだからにぇ☆

それにしてもお腹も減った。
そうだ静馬に高いメニューをご馳走して貰おう。

「ねぇねぇ静兄ぃ。鞍馬君お腹空いちゃったぁ、にゃんか奢ってにゃぁ☆」

すると静馬は見る見るうちに、顔を赤くさせオイラを肩に担いだ。

「さぁ何が食いたい鞍馬?!何でも食わせてやる!」

「わぁい☆鞍馬君今日はハンバーグがいいにゃぁ!」

スタスタと役員席へと静馬は歩き、オイラは肩に担がれながら天羽きゅんを探して見た。

けれどどこにも見当たらない、まぁでもいいか☆

静馬に奢って貰い、浮いたマネーで某サイト様の新作の同人誌を買おう。

そして盗み見る様に、もう一度転校生を見る。

「ふにゃぁ、あれは要らないなぁ…。」
「なんだ鞍馬?何か言ったか?」

聞いてたくせに聞き返すとは、さすが静馬。

「聞いてただろ?あれ要らないなぁって思って。副会長様を怒らせる奴久しぶりに見たもん☆」

それにもう一度言う、謙信先輩には色目はダメ☆

色目なら会計に使え!
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