魔王の帰還

□プロローグ
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このキサラギ国(学園)の秩序が乱れ始めたのは、一人の人間(生徒)が現れたのが原因と言える。

始めこそはキサラギ国を統治する領主達(生徒会)がその人間に興味を示さなかったが、民人達(生徒)は不安を隠しながら世界の変化を見守っていた。

キサラギ国内の変動に動き出したのは領主達とは違った精鋭を集めた武力組織(風紀委員会)だった。

領主達がキサラギ国内の政治を司れば、彼方此方で起きる事件や事故に対応し、犯罪が起きれば彼ら武力組織が取り締まる、それが彼ら仕事。


だから動き出した彼らの中に初めてその人間に接触した半数な兵士が抱いた感情は怒りであった。
しかし、そんな中にも例外の感情を抱く者もいた。

武力組織の副長を勤めていた人間が、事件の中心人物に賛同するように寄り添えば、魅了の魔法にでも掛かったように、あれよあれよと賛同者を増やした。

領主達の中でもトップに君臨する上位貴族(会長)と成り上がり貴族(書記)の職務放棄で、残る貴族達(副会長・会計)は、元より多くあった仕事の他に二人分の職務を背負う事なってしまった。

それに加えてのキサラギ国内で勃発する大小の事件による後始末にも追わるだけなら良かったが

政治を司る執務室に現れる職務放棄をしたアホウや部外者に乗っ取られる始末…。

仕事が溜まりに溜まる中、一々武力組織へ要請し邪魔者共を追い払うという無駄なやり取りに、等々一人の貴族がぶち切れた。

その時の会話は今の所割愛しようと思うが、一部だけご紹介させてもらう。

『煩いねぇ。
その煩い口に僕のぺ〇スを突っ込んでミルクを飲ませてやろうか?』

ベルトのバックルを外しながら表情を変えずに言い切ったそうです。

それからと言うものの執務室を取り返す事には成功したが、未だにキサラギ国内の秩序と治安は乱れいる。

職務を放棄せず政治を司る領主達を心配する彼らの慕う護衛騎士達は(親衛隊)、このキサラギ国内の秩序を乱し主を苦しめる人間(転校生)に憎悪を抱いていた。

主に仇をなす不届き者達(転校生とアホウ達)への粛正は、主からの許しがなければ動けない。

それに今は主から任された命令があり、それを放棄するのは主への裏切りになる。

不届き者達(転校生とアホウ達)への怒りに耐え歯を食い縛りながら、護衛騎士達は主の命令を遂行するしか出来ないでいた。

そして武力組織達(風紀委員会)はと言えば…。

副長のご乱心に武力組織の長に君臨する団長(委員長)はキリキリ痛む胃と偏頭痛に悩まされる事となっていた。

一人の人間は今や周りに多くの賛同者(ハーレム)を侍らせている。

厄介な事に賛同者の中には巨大な権力を持つ上位貴族や武力組織の人間の姿がある。

上位貴族(会長)
成り上がり貴族(書記)
武力組織の副長(風紀副委員長)
など、他にもキサラギ国内で有名な人間も多くいた。

将来を期待される若者(バスケ部エース)の姿や、此方も若くして黒い噂が絶えないが中流貴族(一匹狼の不良)や、キサラギ国の宰相(代理理事)が居たりでバラエティー豊かである。

目立つ賛同者(ハーレム)の中に一人だけ派手さも家柄も普通(巻き込まれた子)な存在がいたが、その普通な子は現在は違った意味で目立つ存在へと祭り上げられている。

死んだ魚の如く日に日に虚ろになっていく眼、よく笑い明るかった表情は現在青く固い顔をしている。

誹謗中傷等と暴力は日常茶飯事で、酷い時には自分よりデカイ人間に追い回され、寸前で助けが入るものの強姦されそうになった事も何度もあった。

毎日行われる理不尽な暴力や貞操の危機に、追い回される哀れな子羊は心を病ませていた。

精神を病ませながらも弱き子羊はこれでも最後の一線は越えず踏み止まって生きている。

理不尽な暴力や貞操を喪いそうになる嫌な世界でも、この弱き子羊を助けようと動いてくれている人間が多くいると知ったからだ。

事件を知り駆け付けてくれた領主(副会長)の人が泣きながら、何も出来ていない現状に頭を下げて謝ってくれた。

もう一人の領主(会計)は、子羊を追い回わす男達と対峙し己の護衛騎士達を使い色々とサポートしてくれている。

他にも武力組織の団長やちょっと変わった(ゴースト的風紀委員)人達の為にも、子羊は最後の一線を選らばぬように踏ん張り続けていた。


全ての原因である一人の人間(転校生)は、自分の周りに増えていく賛同者(ハーレム)に囲まれながら、毎日男達に甘やかされ楽しく幸せそうに暮らしている。

一人の人間は両親のうち特に母親に溺愛され育った。

蝶よ花よと欲しい物を与えられ、嫌な事から目を反らし生きてきた人間は無自覚で人をタブらかす。
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