その他小説

□SIRENが鳴る頃に
1ページ/3ページ

羽生蛇村


「美耶子、もうすぐ8月3日らしいよ。」

「それがなんだ。」

「最初にサイレンが鳴った日だよ。」

「・・・それがなんだ。お前は私に嫌な事を思い出させる気か・・・」

「んー、そういう意味で言ったんじゃないんだけど・・・」

「じゃあどう言う意味?」

「なんか自分から言うのって照れるなぁ・・・」

「・・・?なんだ、何かあるなら早く言え、恭也。」

「・・・。確かにあの日は俺達にとって嫌な思い出しか生まなかった・・・でも、一つ良い事があった。」

「良い事?そんなこと記憶に・・・」

「美耶子・・・君と出会えた事・・・」

「・・・。・・・はっ!?」

「あの日俺と美耶子は出会えた。確かに色々あったけど・・・でも君に出会えて良かったと俺は思うんだ・・・」

「・・・。」

「・・・、美耶子はそうは思わない?」

「・・・も・・・。」

「え?」

「・・・私も・・・そう思う・・・」

「美耶子・・・」

「恭也・・・私からも言いたい。」

「・・・?何を?」

「恭也・・・恭也と出会えて・・・私も嬉しい・・・一緒にいてくれて・・・ありがとう恭也。」

「・・・うん、俺も・・・ずっと一緒にいてくれてありがとう美耶子・・・」

「これからも一緒だ・・・」

「うん。一緒・・・ずっと一緒だよ。」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ