BACCANO!

□悪夢(シャフグラ)
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「〜〜〜〜〜っ!!!」

強い痛みとともにシャフトは目を覚ました。
涙目になりながら、ソファーから体を起こし、顔を上げるとそこにはいつもと変わらない鮮やかな蒼い作業着を着て、子供の腕ぐらいの大きさはあるレンチを片手に、金髪の長い前髪を目が片方隠れるぐらいまで垂らしたグラハムの姿があった。
「ぐ、グラハムさん・・・」
自分の前に立っている男をしっかりと見て、涙目だった目から涙をぽろぽろと流し始めた。
シャフトを見下ろしていたグラハムは急に彼が自分を見るなり涙を流し始めたのに驚いて、自分が持つレンチとシャフトを交互に見ながら言葉を吐いた。
「なっ!そんな泣く程痛かったか!!?確かに寝ていて油断はしていただろうが、このくらい慣れているだろう?と言うか俺は確か前もこんな風にシャフトを起こしたがその時は泣かなかったじゃないか!!まさか、俺のレンチがシャフトの涙スイッチでも押してしまったのか!?オフはどこだ!今止めてやる!!」
長いセリフが終わったと思うと本当にスイッチを探す気なのかシャフトの頭をガシガシ触り始めた。最終的にはレンチを振り上げ始めたのでそこは急いで止めた。
「ちょっ!止めてくださいよ!!もう一回あんなの食らったら俺死んじゃいますし、まず、涙スイッチって何スか!!?無いですよ、そんなの!」
「何?安心しろ、死なない程度にやるから。そしてあったぞ?涙スイッチ。」
「それはさっきあんたが殴った所がたんこぶになっただけっスよ!!てか、死なない程度にって、そんな理由で死んだら死んでも死にきれないですよ!!」

スムーズなくらいコントじみた会話は少しの間続いた。
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