最強純情男に祝福を
□第2話
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「すみません」
「・・・・・私まで・・・・・」
「いいのいいの。高校生なんだから、自分で貯めたお金大切にしなくちゃ」
あああああと杏里はミルクティーを、帝人はストレートティーを飲む。
そんな中、帝人は実に苦そうな顔をしていた。
「ちょっと、正臣。空気読んでよ」
「ん?何が?」
正面で幸せそうな顔を浮かべながらパフェを頬張る正臣を戒める帝人。
そんな様子を見て「いいのいいの」と手を軽く振りながらあああああは微笑んだ。
「正臣くんは、弟みたいな存在だから」
「あああああさん・・・・・・前まで弟のような存在だった男が、いきなりオオカミに・・・・なんて発展もありじゃないですか?」
「え?な、なんで人間がいきなりオオカミに・・・・・・!?ありえない話だよ。オカルト」
「あああああさん、比喩って知ってますか?」
正臣はガクリと肩を落としながら溜息をついた。
「つまり、俺があああああさんを好きになるってことですよ」と言うと、あああああは顔を林檎のように赤くさせる。
「そ、そんな!考えられないよ・・・・!だってあんなに可愛い正臣くんがそんな・・・・」
「あああああさん、そこは男として『カッコいい』って言ってもらえる方が嬉しいんですけど」
「あはは、確かにね。正臣くん、かっこよくなったよ」
「マジすか!!?」
「うん」
「よっしゃー!!」と店の中にも関わらず立ち上がって叫ぶ正臣の足を、帝人がぎゅうっと踏む。