夢小説5

□破戒臣
1ページ/1ページ

俺は阿久根高貴。
箱庭学園生徒会書記で元柔道部のプリンス。
まぁ俺はいい意味でも悪い意味でもそこそこ有名なんだよね。
「阿久根先輩!」
「やあ琉茅ちゃん」
「今日もカッコいいですね!」
「ありがとう。君も可愛いよ」
「ありがとうございます。そういえば中学生時代は「破壊臣」と有名だったらしいですね」
「あ、あぁ。昔の話だ」
「昔?でもそれは避けられない事実ですよね」
「あ、あぁ」
「球磨川先輩が全て「なかったこと」にしてくれたみたいですけど、それで解決!俺改心!なんてまさか思っていませんよね?」
「も、ちろん」
「だから今あなたのすべきことは黒神さんに見とれてる場合なんかじゃなく」
目が、離せない。
俺より年下の、言ってしまえばノーマルの、そして可愛いらしげの女の子がこんな瞳をするなんて――
「あなたがすべきは破壊した全ての規律に器物に人物に謝罪しなさい。まさか忘れたなんて言わせない。破壊臣」
「あ、あ、」
そうか。
きっとこれは俺への罰なんだ。
後悔であり
懺悔であり
戒めなんだ。
「ひとつ、聞いていいかな」
「何」
「君の知り合いが俺に壊されたのなら謝る。本人にも謝罪をする」
「だから、」
ゾッとした。
二年振りに会った球磨川さんのように悪寒と寒気がした。
「許さないよ、破壊臣」
今になって気づいた。
俺がした取り返しのつかない
罪の重さに――

破戒臣

私が戒めてあげる、一生


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ