5つの宝島

□sexy hooker honggi
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「誰だった?」
廊下の角から現れたサンチュさん。
俺に突き飛ばされて壁に当たった肘を痛そうに顔を歪めながら擦っているホンギの肩をポンと叩いた。
目の前に俺が居るのに、俺の事見えて無い?
「ちょっと、俺目の前にいるのに何で無視してホンギに訊いてんですか?」
「おっ、ジョンフン!?・・・ってホンギどうした?」
一度チラッと俺を見ると、また肘を擦ってるホンギにすぐに目を戻した。
そんなサンチュさんに唇を尖らせると上目遣いで、「ジョンフンに突き飛ばされた・・・・」と、告げ口をする。
「他に痛い所はないのか?」
『うん』と首を縦に振ったホンギの肩を抱くと、俺を置いて二人はとっとと廊下の角を曲がって行ってしまった。
「ちょっ、ちょちょちょっとぉ〜」
二人の後を追いかけてドアを閉めようとしていた所を間一髪ですり抜けた。

「えっ・・・・・」
リビングだと思って入った部屋はベッドルーム。
しかもベッドの上がかなり乱れてる。
よくよく見てみたらホンギはバスローブ姿だし、サンチュさんはパンツを穿いただけの状態。
これって・・・もしかしてもしかする?

さっきから感じる淀んだ空気に、独特の臭い。
冷静になって部屋を見回すと、目に飛び込んで来た使用済みのコンドーム。しかも中身入り。
あちこち動き回っていた俺の目とホンギの目が合った。
溜息を吐いてベッドに座ると、枕元に転がっていたミネラルウォーターを掴み口に含んだ。
ホンギが水を飲んでる所なんていつも見ているはずなのに、こんな場所だからか変な気持ちになる。
上を向いて水を飲み込む時に上下する喉や、唇の端から飲みきれなかった水の滴りや、それを拭う手にさえ・・・・変な気分になる。

不意にこちらを向いたホンギが訝しげに首を捻った。
「何見てんだよ?それに・・・何でついて来たんだよ」
視線を感じる程じっと見ていたらしい俺に、二つの疑問を投げかけた。
「さあ?」
俺にも分からないよ。
チラッと俺を見てまた水を口に含んだ。

長い睫・・・・。
横顔のホンギを綺麗だと思った。
いや、綺麗なのは横顔だけじゃないけど。
その辺の女より、下手すれば女性アイドルよりも可愛くて綺麗な顔立ち。
この顔なら抱けるのか?
この部屋で何があったかなんて訊かなくても分かる。
だからあえて訊く様な事はしないけど・・・、俺は不思議だった。
今まで普通に親友として、メンバーとして、家族として接して来たホンギ。
どうやったらそういう関係になるの?
サンチュさんとだって「いい兄貴」と、多分サンチュさんからしても「可愛い弟」だったはず。
その二人がどうして?

その時俺は気付いていなかった。ホンギを「抱かれる側」だと思っていた事に。
そしてそう考える俺も、本当はそういう目でホンギを見ていたと言う事実に。





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