5つの宝島

□sexy hooker honggi
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今日は全く酔えなかった・・・・。
帰りのタクシーの中、ホンギと2人。
俺に寄り掛かって寝てるホンギをチラッと見た。
人の気も知らないでぐっすり寝やがって!
でもその寝顔が思いの外可愛くって、つい口元が緩む。
俺の肩に凭れ掛かるホンギの頭に自分の頭を乗せて、窓の外を流れるネオンの海を眺める。

安心しきった顔だなぁ・・・。
まるで子犬が腹を見せて眠ってるみたいな顔だ。
俺はホンギが飼い出した3匹の子犬を思い出してつい噴き出した。
「んっ?」
俺の笑い声と、笑った為に体が揺れた所為でホンギが目を覚ました。
「もうすぐ着くぞ?」
「ん・・・・」
返事しながらもまた目を閉じて寝ようとする。
「お前起きろよ・・・、歩けるか?」
「んー?負ぶって・・・」
思いっきり俺に寄り掛かって甘えモードのホンギ。
そんなホンギの体から嗅ぎ慣れた香水の匂いが香った。

ヤバイ・・・思いだしちゃった・・・。
その匂いが忘れたい、見てはいけなかった記憶を呼び覚ました。
バスローブ姿のホンギと、乱れたどころじゃないベッド。
バスルームに消えたサンチュさんと、それと入れ替わりにバスルームに消えたホンギ。
俺しか知らない2人の秘密・・・・多分。

「何見てんだよ?」
俺に寄り掛かって目を閉じたままのホンギが言った。
「えっ!?何で見てるって分かったの?」
ゆっくりと長い睫に縁取られた大きな目を開き、首を傾けて俺を見上げた。
「すっげぇ視線感じた。何だよ、何か言いたい事あんだろ?」
俺に寄り掛かっていた体を起こすと座り直し、
「俺もこのままってのは気持ち悪いからな。お前が訊いた事には答えるよ」
引き込まれてしまいそうな、黒目勝ちの大きな瞳で俺を見た。
「いや、別に訊きたい事はない。あ・・・全く無いって言ったら嘘になるけど・・・。とにかく部屋に帰ってから話そう」
さすがに他人が居る前で話す話じゃないし、何より俺達芸能人だからな。
ツイにでも上げられたら堪らない。
この国だけじゃなくて世界中に広まっちゃうよ、ホンギが「ゲイ」だって。

色んな思いが頭の中を駆け巡る中、タクシーは俺達の宿舎の前に着いた。
ホンギを先に降ろして金を払い、タクシーから降りるとフラフラしているホンギの肩を担いだ。
「しっかりしろって・・・」
「だから負ぶってくれって言ったのに」
文句を言いながらそれでも何とか歩いてエレベーターに乗り込んだ。


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