5つの宝島

□恋しちゃってますvv
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「コンコン」
部屋のドアをノックする。
自分の部屋にはすぐに戻る気になれなくて、今日もつい来てしまった。
「誰?」
そっけない声に、
「俺・・・」
俺も一言で返す。
するとすぐに扉は開いて、
「随分早いね?」
驚いた顔でウォンビンは言った。

「その様子じゃ失敗した?」
コクンと頷いただけで何も言わず俯いていると、腕を掴まれて部屋に引き入れた。
部屋に入っても黙って突っ立っている俺に、
「座れよ」
自分が腰かけているベッドの前にあるクッションを顎で指し示すと、パソコンから曲を流し始めた。

狭い宿舎。外に声が聞こえない様にウォンビンの何時もの癖。
ウォンビンの膝に手を置くとウォンビンはパソコンの画面から俺に視線を移した。
「何?慰めて欲しいの?」
からかう様な声に唇を尖らせる。
「そんなんじゃ無いっ!一つ訊きたくて・・・」

顔を上げてウォンビンを見た。
「その上目使いヤメロ・・・。お前俺の気持ち分ってるだろ?ここ、俺の部屋。お前今この部屋で俺と二人っきりなんだよ。この前と同じ事されたい?」
「そんなつもり全く無いくせに・・・」
そう言うと、「分からないよ?」と言って、ウォンビンは俺の頬にキスをした。

膝に乗せた手を握りゆっくりと俺の身体を自分の方に引き寄せる。
ベッドに腰掛けるウォンビンに倒れ込む様にして、俺の身体はウォンビンの膝の上に収まった。
手は握られたまま、背中に腕を回され離れられない。
あの時の事が頭を過った。

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