5つの宝島

□愛し合い、そして眠ろう(フニ×ホンギ)
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小さな商店街に並ぶ二軒のお店。
カフェを営むチェさん一家と、花屋を営むイさん一家が暮らしていた。
チェさん一家には長男のジョンフン君と、二男のスンヒョン君と両親の4人家族。
イさん一家は長男のホンギ君、二男のジェジン、三男のミンファン君の3人家族。
イさんのご両親はホンギ君が高校3年生の時に事故で他界してしまい、それからは3兄弟力を合わせて頑張ってきた。
お花屋さんはお母さんの妹である叔母さんが切盛りをし、兄弟は時間のある限り叔母さんを助け店を手伝っていた。





「ホンギ、適当に何束か作ってくれ」
「適当にって何だよ!」
「だって俺花なんか分かんねぇし。お前に任せる」
まだ準備中で忙しく動き回るホンギをカウンターに肘を付き、前のめりになりながらジョンフンは目で追った。
「ジョンフン邪魔っ!あんたは何で開店してから来ないのよ!」
ホンギの叔母で今この花屋の実質的な経営者であるソヨンが、バケツの中に大量の花を入れながらイライラした様子で言った。

「だって開店してからじゃゆっくりホンギと話せないし」
ソヨンやホンギに邪魔にされても全く気にしていないジョンフンはのんびりと話す。
「開店前でも準備が忙しくて話す暇なんて無いっていつも言ってるだろ」
ため息交じりで呆れた様子で言っても当のジョンフンには全く効果は無い。
ニコニコとホンギに笑いかける。ホンギが自分の方を見てくれた事が嬉しいのだ。

「温かいコーヒー持って来たから少し休憩すれば?」
二人に専用のタンブラーを差し出すと、ソヨンとホンギは顔を見合わせ仕方なく動くのを止めた。
「全くあんたには敵わないわ・・・ホンギちょっと休憩しよう。こいつが居なくなったら一気にやろう」
ソヨンはジョンフンからタンブラーを二つ引っ手繰った。
「あっ、そっちのピンクのタンブラーはホンギのだってば」
「知ってる!どうせホンギに渡す時に手ぇ握ろうって魂胆でしょ?見え見えなんだよ!私は叔母だから?死んだ姉さんの代わりに可愛い甥を守らなきゃ」
ソヨンがギュッとホンギを抱きしめると、ジョンフンが「あっ!」と切な気に声を上げた。

「お前叔母さんだよ?何嫉妬してんの」
ホンギはソヨンにハグされたままジョンフン差し入れのコーヒーを口に含む。
「叔母さんでも誰でもダメ!ホンギを抱いていいのは俺だけなんだよぉ〜」
「抱くだあっ!お前可愛いホンギに手ぇ出して見ろっ、お前のチ○コちょん切ってやるからな!!」
ソヨンの言葉に恐ろしくなって自分の股間を押さえるジョンフン。

「朝から騒がしいなぁ・・・。ソヨン、お兄さんご飯出来たよ」
店の奥の住居部分から顔を出したのは二男のジェジン。
ジョンフンを見つけると、騒ぎの原因が分かったのか顔を引き攣らせた。
「ジョンフン兄さんおはよう。相変わらずホンギお兄さんにアタックしてるんだ・・・・懲りないね」
「おう、ジェジンおはよう。懲りないよ、ホンギを嫁にするまでは諦めないから」
「や、俺男だから嫁になれねぇし・・・いい加減諦めろ」
何を言われようとニコニコと微笑み、余裕な顔のジョンフン。
「ホンギを嫁にするのが俺の子供の頃からの夢だから。それにホンギも俺と約束しただろ?」

はぁ・・・。
ホンギは深く溜息を吐いた。
確かに遠い記憶にはジョンフンとの約束が残っている。
『大きくなったら俺のお嫁さんになって』
『うんいいよ。俺ジョンフンの事好きだから』
『俺もホンギの事大好き』
そしてジョンフンはホンギに誓いのキスをした。
ジョンフン、ホンギ、4歳の春だった・・・・・。


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