エンジェルハウス(シヌ×ジェルミ)

□2人の夜
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次回アルバムの為に作曲をするからと、事務所のスタジオに今夜テギョンは泊まり込むらしい。
と、言う事は今夜一つ屋根の下に二人きり・・・・。
さあ長い夜をどう過ごそうか?

ジェルミはあの一件(キラキラ参照)以来自粛のつもりなのか、暫く出かけていない。
特に夜はこの宿舎で大人しく過ごしていた。
もちろん俺も余程の用が無い限りめったに出かけない様にしていた。

それにしても・・・今夜は頼みの綱のテギョンが居ない。俺が何とか理性を保っていられるのはテギョンのおかげだ。

待てよ、もしおかしな気分になったら、あの苦虫を噛み潰した様な顔を思い出せば何とかやり過ごせるかもしれない。

リビングで一人悶々としていれば、美味しそうな子羊・・・いや、ジェルミが俺の許へとやって来た。
「ヒョン、テギョンヒョンは?」
今日もクリクリキラキラお目々のジェルミは、眩い光を放ちながら何かを胸に抱えてパタパタと走って来た。

「テギョンなら事務所のスタジオで作曲するから今日は帰らないって言ってたけど、テギョンに何か用?」
俺じゃなくてテギョンに用があるなんてがっかりだ。俺の前で他の人間の名前を口にするなんて、たとえそれがテギョンであっても許せない。
だけど顔はあくまでもにこやかなまま、「優しいヒョン」のイメージは崩さない。

「ううん、テギョンヒョンが居たらどうしようと思って」
ふふっ、テギョンが居ない方がいいのか?
思わず綻ぶ口元。
おっといけない平常心、平常心。
カッコイイヒョンのイメージも崩してはいけない。
俺は新聞を読んでいる「フリ」をした。
「ヒョン、これ一緒に観ようvv」
ジェルミが大切そうに抱えていた物を俺の目の前に突き出した。
「あっ、アダルトっ!!」
「うんっ、日本にコンサートで行った時、向こうのスタッフさんに貰ったんだ」
誰だジェルミにこんな物を渡したスタッフは!!
「ヒョン、一緒に観ようっ!」
長い睫を瞬かせて、大きな丸い目に期待を込めて俺を見た。

尻尾があったらブンブン振ってるんだろうなぁ〜・・・・何だか待てって言われてる犬みたいに俺の前にチョコンと座り、可愛い顔で「お願い」なんて言われたら断れない。
「仕方ないなぁ。でもジェルミ、そういうのは一人で観るもんなんだぞ」
頭を撫でると満足そうに微笑んで、
「だってこれくれた人が、好きな人と観なさいって言ったんだもん」
と、言いながら可愛いお尻を俺の前に突き出して、DVDをセットした。




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