エンジェルハウス(シヌ×ジェルミ)

□怒りにかられて
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あれからヒョンとは一度も口をきいていなかった。
そろそろ3日。
テギョンヒョンも僕達の様子を心配して、何かと気を使ってくれた。
あのテギョンヒョンがだよ?
まあ皇帝とか言われてるけど本当はとっても優しい人だからね・・・。

「ジェルミ、元気?」
色んなアーティストが集まって毎年行われる有名なコンサート。
今日はその日なんだけど、彼等のグループも出演するって事忘れてた。
こういう時って控室とかって数が足りないから、駐車場に停めた事務所のバンが控室替わりだったりするんだけど、ずっと座ってると体が痛いしヒョンも一緒だから息が詰まって外をフラフラしていた。
その僕を見つけて彼が車から降りて来たんだ・・・・。

「元気だよ。ヨンファは?」
「見ての通りだよ。・・・・ジェルミ?何かあった」
ヒョンに良く似た目の前の彼は、彼より5pほど小さい僕と目線を合わせ顔を覗き込んだ。
何でばれたんだろう?
上目遣いに見上げる僕の頭を撫でながら、彼は八重歯を見せて微笑んだ。


宇宙アイドルこと、キム・ヒチョル氏。
バラエティー番組で共演する事が多かった彼とはすぐに仲良くなった。
その弟分で、デビューした頃から僕に似てると良く言われたFT ISLANDのイ・ホンギとも遊ぶ様になり、何時の間にか目の前のヨンファとも仲良くなっていた。
キム・ヒチョルと繋がれば韓国の芸能人全員と繋がれる・・・・、実しやかに囁かれている噂だ。
でもあながち嘘ではないかも?
あの人付き合いの悪いテギョンヒョンでさえヒチョルさんとは友達だ。

実はヒョンと付き合う前、何度か彼とはお互いを慰め合った事がある。
もちろん最後まではしてないけど・・・。
彼に似たヒョンに片思いしていた僕と、僕に似ているホンギに片思いしている彼。
そう言えば今日はホンギのいるFT ISLANDも出演するはず!?
「ホンギ居るんじゃないの?」
ヨンファに向かって訊くと、
「ああ・・・居るよ、あそこに」
彼が指を指した先には、黒っぽい衣装を着た集団が見えた。
その真ん中に恋人に腰を抱かれて大きな口を開けて笑うホンギが見える。
「またあんなに男を侍らせて・・・・」
「だろ?あれの恋人って大変だよね」
他人事の様に言うけど本当はそんな恋人の座が羨ましいくせに。

ホンギを眺める彼の横顔を盗み見ていると、聴き慣れた声が僕の名前を呼んだ。

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