創作ホモ小説
□非日常
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俺は筍谷タケル(たけのこだにたける)。いきなりだけど、おれの周りは個性が強い奴が多い。
ドジっ子先輩、ツンデレ幼馴染、ヤンデレ後輩、メガネっこ、犬っぽい先輩、クールな先輩、少し天然な先輩、爽やか同級生、留学生の後輩、モデルの元級友、電波系……。
だが、皆男である。
何故だろうか。皆男って…、俺の周りには男子高か!?ってほど男しかいない。
俺は悩んでいる、周りが男だらけだからではない……周りがホモだらけだからだ。
「…もしもし、タケル起きたか?」
俺の朝は幼馴染__室好男(むろよしお)のモーニングコールから始まる。可愛い女の子ならむしろウェルカムだが、俺は野郎に起こされたって嬉しくない。母さんに起こされたほうがまだマシだ。
「あぁ…、いつものことながらお前のせいで最悪な朝だがな。」
「は?何で?てかさ、今何時だと思う?」
「8時くらい?」
「残念、9時」
俺は好男のその言葉を聞いた瞬間、ベッドから飛び起きて叫んだ。
「遅刻じゃねぇかァァァアア!!!?」
俺は今走っている。メロス並に走っている。何故なら、今日は久しぶりに風紀委員が校門で検査をしているからだ。
ぶっちゃけ、おれが通っている高校の風紀委員は怖い。
我が校一クールだと言われている風紀委員長に、少しっていうか結構病んでる風紀委員。
(怖い。マジ怖い。)
あまりの怖さに少しふらつきながら走っていると…
「うわぁっ!?」
「す、すみませんっ」
人にぶつかった。小さく悲鳴をあげた人に慌てて謝る。少ししてから顔をあげると、ふわふわした少し明るめの髪の毛に、タレ目の見知った顔。
「あれ、大谷先輩?」
同じ体育委員会で委員長をしている大谷善代(おおたにみよ)先輩だった。
彼は、体育委員会委員長のくせにドジで運動神経がない事で有名だ。先ほどぶつかった時も、いつものドジを発動して転んでしまったらしい。
「すみません、大丈夫ですか?」
「う、うん…大丈夫だよ。」
といいながらも涙目になっている先輩に、すみませんとまた呟きながら手を差し出す。すると先輩は「ありがとう、タケル。」といって俺の手をつかみ、ふにゃりと笑った。
おお…この先輩マジで男かよ。