柳くんと柳さん

□これが二人の出会い
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この学年に自分と同じ 柳 という苗字という人がいることを今日知りました。



なんで知ったかというと




『・・・誰からだろコレ』




私の靴箱に“3年6組柳くんへ(ハート)”と書かれた封筒が入っていたから。




これはあれだろう。

世間一般にいうラブレターというやつ。
初め恥ずかしながら自分宛かと思ってしまった。

だって私も一応柳って苗字だしね。
でも、くんがついてるってことは柳くんは男なのだろう。
クラスも違うし。

誰だよ。靴箱間違えたやつ。
好きな奴の靴箱間違えるなよ。


これって、届けたほうがいいのかな。




・・・でも柳くんって誰だろう。




自分と同じ苗字の人、なんか興味が湧いてきた。



3年6組。
ご丁寧にクラスまで手紙に書いてあるし。

よし、届けにいこう。


















てな訳で6組の教室の前までついた。
まだ朝早いので生徒は少ない。

よし、柳くんいるかな。


そっと扉のガラスの部分から教室内を見る。
あれ、女子しかおらん。


え、どうしよう。柳くんって男子だよね?

悩んでいると




「あ、あの」




後ろから声をかけられた。
やばい。不審者と思われた!?
慌てて後ろを振り向くと



そこには美青年がおりました。



こ、高級食材!!←





「あ、あの・・」

『は、はい!!』

「僕このクラスなんです。誰か呼んできましょうか?」

うわぁ、美青年な上に親切!!


『あ、あのじゃぁ柳くん呼んでもらえませんか?』

そう言うと美青年は少し驚いて


「僕が柳です」

そして笑って言った。


『え、え、や、柳くん!?』


思わず指差してしまった。


「はい。」


笑うのを我慢しているような柳くん。


『あ、あのこれ間違えて私の靴箱に入ってって・・・』

鞄に入れたラブレターを出そうと探す。

紙のようなものに触れた。

お、これだな!!


『はい、これ!』

笑顔で渡した

私の38点のテストを。



・・・あれ




『あぁぁあ違う!!これじゃない!!』

柳くん笑いこらえてます。

もう笑っていいよ。


『はい、これ!こっちでした!!』


今度はしっかりラブレターを渡す。


「あ、わざわざありがとうございます」

笑いが収まった柳くんはラブレターを受け取った。


『私も同じ柳って苗字だから間違えたみたいだよ』

「へぇ、同じ苗字なんですか?」

驚く柳くん。


あぁこんな奴が同じ苗字ですみません・・・!!



『あ、えっと私は柳名無しさんっていいます』

「僕は柳明音です」



うわ、名前まで綺麗。



「わざわざ、届けに来てくれてありがとうございます。柳さん」

『いえいえ、気にしないで!柳くん!』



・・・なんか違和感。なんでかな


「あの、同じ苗字なので僕のことは明音って呼んでください」

なるほど同じ苗字だから違和感だったのか。


『じゃぁ私のことも名無しさんって呼んでください明音くん!』

「はい、名無しさんさん」


なんか照れる・・・!!


『じゃ私は自分の教室戻るね!あ、私4組なんだ〜』

「そうなんですか。結構近いですね」

『だね〜。じゃあ戻るね。明音くんまたね!』


またがあるかは知らないが。


「はい。じゃあまた、名無しさんさん」


あ、やばいニヤける←






〜これが二人の出会い。〜


第1話END。
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いきおいで書いた堀宮小説です。
柳くんのキャラがイマイチつかめない。

2012.1.4

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