リクエスト 2

□aphrodisiac R15?
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その日は珍しくもない、接待であった。
相手は警視庁の高官と、警察関係に根強い発言力を持つ天人だ。
江戸でも超高級で知られる料亭の離れで、それは行われている。
今日は何故か土方一人で、と指定を受けたので、その指示通りに土方は1人で訪れていた。
何故か沖田や山崎が1人で行くなと煩かったが、相手は上司だ。
無碍に言付けを破るわけにもいかない。
土方はそう言って2人と説き伏したのだ。

 一体なんだってんだ

2人はいつになく必死な顔をしていた。
沖田など、自分が付いて行くと今まで見たことのないような真剣な顔をしながら、言い張ったのだ。
いつもなら命令しても付いてこないくせに、何があったのだろう?、と土方は首を捻った。
それにしても、熱い。
いや、部屋の温度が高いわけではないのだ。
それなのに、自分の体の中から燃えるように熱かった。

 酔ったか?

頭もクラクラ回り、ムカムカとむかつく。
土方は下戸だ。ほとんど呑めない。
それは自分でも分かっていたから、今日だってそんなにアルコールは口にしていない。
しばらく忙しくて、睡眠不足だったからだろうか?

「土方君?大丈夫かい?」

上司である男が、心配げに声を掛けてくる。
しかしその顔は、厭らしげな笑みを浮かべていた。
土方はその声すらも、もう既に遠くにしか聞こえていない。
座っているのでさえ、辛かった。
当然返事などできようはずもない。

「具合が悪そうだね。奥に部屋が取ってあるから休むといい」

ひどい眩暈の中、上司の手が伸びてくるのを、どこか呆然と眺めてた。
その時だ。突然何の前触れもなく襖が開いたのは・・・。
上司は動きを止め、慌てて振り返った。

「な、なんだね?君は・・・?!」

入ってきた2人の人物に、上司はきつい口調で詰め寄った。
言われた方はそんなことお構い無しに、ずかずかと入り込んでくる。

「おこんばんは〜、ぱー子で〜す」
「アゴ美で〜す」

聞き覚えのある声に、土方はもうほとんど閉じかけていた瞼を無理矢理引き上げ、声の方を向く。
そこには派手な振袖を着て変な髪形をした自分の恋人が、これまたどう見ても男性が女装しているの丸分かりなオカマと共にいた。

 銀時・・・?

なんでこんなところに・・・?ともう口を開くこともできず、意識は暗い闇の中に
落ちていった。
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