リクエスト 2

□最強無敵な彼  R15?
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ネズミ〜ランドで捨て身の告白を成功させ、ようやく土方を手に入れ春が訪れた、かのようだった銀時だが、世の中そんなに甘くない、という言葉を身に染みて実感した。
それはもう、本当に土方は可愛い。前々から可愛かったが恋人になったら甘えていいんだよ、と教えたら、はにかみながらわかったと言って甘えてくるようになったのだ。
あのてろんてろんのまるでシュークリームの上に生クリームを乗せて、更にコンデンスミルクを掛けたように甘い声で、しかも上目遣いで、銀時、なんて呼ばれるとそれだけで銀時は身悶えて、そのまま溶けてなくなりそうになるのだ。

なんでこんなに可愛いんだろ?

今日も今日とて、昼休みに万事屋に来て、銀時お手製のスペシャルザッハトルテ生クリーム大盛り添えを何の疑問も持たず、銀時に食べさせてもらいご満悦顔ではぐはぐしている土方を見て、銀時はそんな腐ったことをマジ、真剣、本気で考えていた。
おかげで手がお留守になったのだろう。

「銀時?」

口を開けて待っているのになかなか入ってこないケーキに土方が、ちょっと不満げに拗ねたように銀時の名を呼ぶ。
それにハッとして銀時は慌ててケーキを切り分けた。

「ごめんごめん。ついお前に見蕩れてたよ」
「ばか・・・」

真顔でそんな台詞を告げられ、土方は頬を染めながら差し出されたケーキにぱくんと食いついた。
その時だ。いっぱい生クリームを付けていたため、土方の口の端にそれが張り付いてしまう。
銀時はそれを笑いながら指で掬って、自分の口に入れようとした。
しかしその手がむずっと掴まれたかと思うと、そのままそれはあっと言う間もなく暖かいモノに包まれたのだ。
銀時が驚愕に目を見開く。
その指は土方の可憐な唇の中に消えていた。

「ひ、土方・・・」

あまりのことに銀時の声は上擦り、掠れる。
土方はそんな彼をちらりと見て、含んだ口の中で熱心に舌を動かした。
暖かい舌が銀時の指を舐め上げる。
チロチロとたまに見える舌が、余りに卑猥だ。
一気に銀時の下半身に熱が籠もる。
銀時が前屈みになろうとした正にその時、土方は口を離した。

「美味しいv」

したり顔でに〜こりと蕩けるよう浮かべられた甘い笑顔は、すでに最強無敵の最終兵器だ。
その顔でそんなことを言われて我慢できる男がいるだろうか。いや、いまい。

「土方!」

俺にも美味しいお前を食べさせてくれ!!とばかりに銀時は思わず、ソファに座っていた土方を押し倒した。
土方の方は切羽詰まった銀時を、きょとんとした顔で見上げことんと小首を傾げる。
純真無垢なその瞳で自分の汚い欲望を見透かされたように見詰められ、勝てる男がいるだろうか?いや、いまい。
そうして今日もまた、銀時は破れ去ったのだ。
その肩はかっくりと落ち、背中に哀愁が漂っている。
付き合い始めて早一月。
だが未だ2人は清らかさんであった。




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