リクエスト 2

□変らぬ約束 土方side
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土方は幼い頃に両親を相次いで亡くした。もう顔もほとんど覚えていない。
その後、彼を育ててくれたのは、年の離れた姉・周だった。
彼女はとても土方を愛し、慈しみ育ててくれた。
土方はそんな姉が、とても大好きであった。
その姉がもうすぐ嫁ぐという時期に、姉とその許婚で義兄になる予定だった芹沢朱鷺と湯治に行こう、という話しが出たのだ。
しかし前日、芹沢に急遽仕事が入り先に土方と周が現地に向かう事になった。
その時だ、悲劇が起きたのは・・・。
遊びに出ていた土方が攘夷志士達に絡まれて、助けに入った周がその者共に斬られしまったのだ。
その時に助けてくれたのが、当時白夜叉として攘夷志士の間でも幕府・天人の間でも有名な銀色の侍だった。
それはもう運命の出会いとしか、言い様がない。
土方は彼を一目見た途端、その壮絶なまでに美しい剣を振るう姿に恋に落ちた。
まるで月の光を集めて作ったような綺麗な銀糸。
優しい瞳に甘いバリトンの声。
何もかもが土方を魅了した。
しかし彼らは戦っているのだ。自らの信念の元に・・・。
ずっと一緒にいるわけにはいかなかった。足手纏いにはなりたくない。
土方は仕事を終え、迎えに来た義兄の元に戻ることになったのだ。
しかし、彼も自分の事を好きだと言ってくれた。
絶対に死なないと、迎えに行くから待っていてくれ、と確かにそう約束したのだ。
土方のはその言葉を胸に秘め、彼との再会の日を夢見る事となる。




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