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□ただ、狂おしいほど
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この歪な愛は、貴方を殺めるまで止まらないだろう
愛してる
愛してる
狂おしいほど愛しい貴方を、自らの手で、手折りたい
その時は
いつ訪れるのか
「アーカード」
黒い棺を開け、棺の中にいる黒髪の少女の名前を呼ぶ
「アーカード」
返事は無い
棺の中では、眩暈を覚えるほどの赤と黒がせめぎ合っていた
「アーカード」
無意識に、執事が棺の中へと手を伸ばした
それと同時、暗闇から幾つもの瞳が執事を見つめる
執事の腕に、無数の百足が巻き付く
其れでも構わず、執事は更に棺の奥へ奥へと腕を伸ばす
使い魔に侵入者と見なされた執事の腕は、百足によって締め付けられ、赤い血が滲み始めた
片腕では短すぎる、遂には両手を伸ばして身を乗り出し棺の中を弄る
百足達を掻き分けると、暗闇の先に白い肌を見つけ出した
其れは陶器のようで、棺の黒や赤に良く映えていた
そのまま腕を奥に進ませる
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