主文 振り
□君の残像に
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気がつきと、いつもあいつを見ていた。
なにするにもトロくて、喋るのも遅くて。
名前を呼んだだけでも驚く。
すげーイラつくし、バッテリーじゃなかったら…チームメイトじゃなかったら、絶対に仲良くしなかったタイプだ。
なのに……気がつくと、あいつを目で追ってる自分がいる。
授業中なんか、ふとあいつのこと思ってたりする。
授業聞いてるか？とか、寝てないか？とか。
あいつがトロいせいなんだ、って自分に言い聞かせてみる。
俺が見てやらなきゃ、何も出来ないノロマなやつ。
いつもそーやって、思ってあいつに接してる。…つもり。
泉に言われる前までは。