LIAR
□#02
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───真選組屯所正門
「ギャァァァ!!」
ただいまの時間午前4時50分。差し詰めモーニングコールvol.2である。
というのも1週間前の1回で慣れたらしく、それからは叫ばなかっただけなのだが。兎に角、またこの男も真選組の1隊士である。
真選組監察
山崎 退
地味ながらもその特徴を逆手に取り
潜入捜査などに精を出している隊士だ。
上司からの人望も厚く頼りに(パシリに)されている。少しビビリなのが玉に傷だが、今はどうでもいい。
まぁ、そんな彼が叫んだのには理由があったのだ。
と言うより誰しもこのような状況に陥れば叫んでしまうのでは無いのだろうか?
2人の尊敬している上司が力なく倒れていたのなら。
「ちょっ、副長!沖田隊長大丈夫ですか??」
見た所目立った外傷も無く、息もしている。命に別状はなさそうだ。
とはいえ、心配なものは心配で…
「ちょっと起きて下さいよ2人とも!!」
山崎は倒れている二人を思いっきり揺さぶりだした。
そして5分後──
「なんでィ母ちゃん今日は日曜だぜ。学校なんかやってねーって。」
「うるせーぞ山崎ィィィィ。テメェ腹出せ切腹だァァァ。」
ほぼ同時に目を覚ました二人。
「え…俺の扱い酷くない??」
「地味なんだから、仕方ねーだろィ」
二人が目を覚ましたのは喜ばしい事なのだが、一つ山崎の中に疑問が浮かんだ。
「…アレ?何故お二人ともこんなとこに倒れてたんですか??。」
..........
..........
ぶわっと身震いしそうになる程溢れる二人の殺気。どうやら、その言葉は地雷だったらしい。
「「あのクソアマぶっ殺す。」」
珍しく、2人の意見が合ったのだった。
chapter #02
人の名前覚えない奴に限って
名前間違えられると怒る