LIAR
□#04
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紗良が赴任してから数日経ったある日のこと。
会議中なのだが、隊士たちの様子がおかしい。何やらざわざわと騒がしいのだ。
無論、そんな事態を鬼が許すはずはない。
「何ださっきからうるせェな!!今会議中だって知っての行動かァ!?」
普段であればこれで静まるのだが、今回に関していえばそうはならなかった。
「副長ォォォ!!局長が女にフラれた上、女を賭けた決闘で汚いて使われ負けたってホントかァァ!?」
「女にフラれるのはいつものことだが、喧嘩で負けたなんて信じられねーよ!!」
「銀髪の侍ってのは何者なんだよ!!」
紗良は喧騒に耳を傾けつつ、その喧嘩の怪我の手当てをしたことを思い出しため息を吐いた。
「会議中にやかましーんだよ。あの近藤さんが負けるわけねーだろが。誰だくだらねェ噂垂れ流してんのは…」
土方の視線が紗良に移される。
「アホぬかせ!アタシ患者のプライバシーはちゃんと守りますよー?」
「じゃあ、誰が…?」
すると皆の視線(及び指)が茶を啜っている沖田を示した。
「沖田隊長がスピーカーでふれ回ってたぜ!!」
お前かよ。そんな土方や紗良の心の呟きを他所に沖田は意味深な笑みを浮かべてこう言った。
「俺は土方さんに聞きやした」
「コイツにしゃべった俺が馬鹿だった…」
またうるさくなった会議室で紗良は茶を啜るのだった。
「ズズ…熱っ。」
chapter #04
喧嘩はグーでやるべし