書物宮

□棘姫
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身体を流れる血は毒に染まっているのに
貴方を染めるのが

こんなに怖いなんて
★★★★★★★★★

「アル、元気ないぞ」

突然背後から抱きつかれ、思い切り振り払うのは、昔からの癖だった

昔と言っても、魚座の黄金聖闘士になってからだが

「?!…マニゴルド…すまない」

マニゴルドは屈託無く笑う

「気にすんなって」

ひらひらと振られた腕に血が付いているのに気付く

「これは?」

「ん?ああ、わからねぇ」

アルバフィカがマントごしに手に触れようとする

「お前、それは俺にするなって言わなかったか?」

「……」

布越しに触れられることを酷く嫌うマニゴルドの優しさは理解出来るが不安だった

「!!!」

不意に視界が暗くなる、

聖衣の腰を抱かれ、唇を奪われる

長いキス

唇が離れると、マニゴルドはまた笑顔になる

「俺達の間に布キレは要らねーだろ?」
わなわなと拳を握り震えるアルバフィカの手がマニゴルドの頬を打つ。

双魚宮に肌を打つ音が響き渡る

「ってぇ!!」

アルバフィカはそのまま背中を向け、宮の中へ消えていってしまった

残されたマニゴルドは酷く赤くなった頬をさすりながら

「…何か言えよ…」

★★★★★★★★★
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